long dreamA


□模写-copy-
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「本当に偽者なんていんのかよ!?桑原!オメーの生年月日と血液型は!?」


半信半疑の幽助だが、急かす口調で桑原に訊ねる。


「言ってもいいけどよ、オメー、オレの生年月日と血液型知ってんのか?」


「あ…知らねーや」


「それじゃ意味ねーだろボケ!」


桑原から幽助にもっともなツッコミが入り、他三人は呆れて脱力する。


「それじゃオメーの姉貴の名前は!?」


「静流だ。こないだ18になった」


「未来!オメーと同居してんのは誰だ!?」


「幻海師範。幽助の師匠ね」


「蔵馬!オメーの母ちゃんの名前は!?」


「南野志保利。今秋再婚予定」


幽助の問いにそつなく答えていく桑原、未来、蔵馬。


「ほんとか!式には呼んでくれよな!」


「おめでとうってお母さんに伝えといてね!」


「あと7分」


おめでたいニュースに歓喜する幽助と未来の横で、城戸が平淡な声で残り時間を告げる。


「フン。ばかばかしくてやってられん」


「んじゃ飛影!オメーの妹の名前は!?」


「……」


飛影はすんなりとは答えず、しばらく黙った後。


「言う必要はない。お前もよく知っている奴だ」


「…ますますわからなくなったぜ」


飛影の性格ならそう言うとしか思えず、質問のチョイスを誤ったと痛感する幽助。


「へえ、飛影に妹がいたんだ!見てみたいな〜」


「こいつの妹じゃ目つきと性格悪いだろーな」


未来と桑原だけ、雪菜が飛影の妹であると知らないのだ。


(こいつらに教えてやるのは…)


(彼が許さないでしょうね…)


飛影の無言の圧力により、幽助と蔵馬は沈黙を強いられる。


「つーか、全然誰が偽者か分からねー!蔵馬、オメーは誰が偽者だと思う!?」


一応霊界“探偵”であるのだが、慣れない推理に頭がパンクし、あろうことか幽助は蔵馬に意見を求める。


そんな幽助に、ガクーッと思わずズッコける未来と桑原。


「ちょ…もしかしたら蔵馬が偽者かもしれないのに、なんで訊くの!?」


「アホすぎるにも程があるぜ!」


「うるせー!もう蔵馬に頼るしか方法が思いつかなかったんだよ!」


窮地に立たされた幽助は、蔵馬が本物だろうが偽者だろうが構わず頭脳派な彼に助けを求めてしまったというわけだ。


「…これは幽助を混乱させそうで言うのを躊躇していたんですけど」


ギャーギャー三人が喚き、飛影が白い目を向ける中で、静かに口を開いたのは蔵馬。


「オレが一つ確信していることは…」


「な、なんだよ蔵馬、早く言えよ」


もったいぶる蔵馬を幽助が急かす。


未来と桑原、飛影も黙りこみ、蔵馬の次のセリフに注目する。


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