long dreamA


□潜入!裏御伽チーム
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「未来ちゃん、おかえり!飛影はどうした?」


部屋に一人で帰ってきた未来に、桑原が尋ねる。


「飛影は…もうちょっとしたら帰ってくるよ。たぶん…」


「? そうか?」


桑原は未来の返答が、どこかふにおちない。


ぽすっと力なく桑原と蔵馬が座っているソファーに自分も腰をかけた未来。


「未来、どうかしました?」


「なんか元気ねーぞ?」


暗い未来の表情を見、蔵馬と桑原が心配する。


「えっそうかな〜、なんでもないよ!」


未来は努めて笑顔を作り、明るく振る舞った。


(飛影と何かあったのか…?)


わかりやすい彼女に、蔵馬は問い詰めようとはしなかったが勘づいていた。


未来は目線をおとしたままだ。


(私、飛影に言い過ぎたかな…)


怒りが落ち着いてくると、モヤモヤした思いが未来の中で渦巻く。


(でも、ショックだったんだもん…悲しくなったから…)


ただ、捨て台詞のようなことを自分が言った後、何も反論せず自販機の前から動かなかった飛影が気にかかる。


「あーー!」


突然叫んだ桑原に、未来の思考は中断された。


「そういえば、覆面はどうした!?」


「ゲームが終わった後、ふらっと一人でどこか行っちゃったみたい」


未来は闘技場を一人で出ていく覆面の姿を見ていた。


「ったく、飛影といい浦飯チームには単独行動好きが多いな〜」


桑原の口から出た“飛影”という言葉に未来の肩は微かに反応する。


ガチャ。


その時、部屋の扉を開ける音がした。


(飛影…!?)


身構える未来が、緊張の面持ちで扉の方に目を向ける。


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