long dreamA


□すれ違い
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ホテルにたどり着き、それぞれの部屋を目指す一同。


先頭は蔵馬と飛影、桑原、雪菜、中間に陣と凍矢、最後尾は雪菜以外の女性陣である。


ぼたんだけは、霊界獣の卵と幽助&螢子の様子が気になるらしく途中で抜けて一人で森に入っていっていた。


鈴駒と酎とも、既に彼らの部屋にたどり着いたので先程別れたところだ。


「ねえねえ、やっぱりアノ時はきゅんとしちゃったでしょ?」


温子がこそこそっと口の横に手をあてて未来に言った。


「あの時?」


「やだね〜とぼけちゃって!」


ニヤニヤする温子。


静流もからかうように笑いながら未来を見ている。


「あの赤い髪の彼がさ、左京とかいう人たちに怒った時!」


温子が前を歩いている陣を指差した。


「惚れちゃった?」


「か、感激はしたけど別に惚れたとかは…」


未来はぶんぶんと手を振って否定する。


「だめよ温子さん。未来ちゃんは名前の頭文字が“す”の人が好きなんだから」


「まだ言ってるんですか静流さん…。それは誤解ですって!」


予想外にまた持ち出された話題を、否定するのも疲れる未来。


「誤解なら問題ないじゃない!ちょっと、そこの赤髪の彼!」


温子が呼び止め、陣が振り向いた。


「なんだべ?」


「未来ちゃんが喉かわいちゃったらしいから、一緒に自販機まで飲み物買いに行ってあげてよ」


「えぇ!?」


展開についていけていない未来からビールを取り上げ、代わりに小銭を握らせた温子。


どうやら陣と未来の仲を取り持ちたいようだ。


相当酔いがまわっているのと、キューピッド的な役目をするのが嫌いではないらしい。


「? 別にいいだよ」


「じゃあヨロシクね!自販機はエレベーターのとこにあるから!」
「またね」
「皆さん、さようなら」


温子、静流、雪菜は彼女らの部屋に入っていった。


「…じゃあ陣、行く?」


今さら行かなくてもいいとは言えず、未来は陣に尋ねる。


「おい」


そんな二人を、飛影が呼び止めた。


「貴様が付き合う必要はない」


「どういう意味だべ?」


刺々しい飛影の視線と声色に、陣も少しむっとする。


凍りついた空気に、未来は焦る。


「あ、飛影は陣がそこまでしてくれなくていいって言いたいみたい。陣に悪いからって」


だよね?と未来は飛影の顔を覗きこむ。


飛影は肯定も否定もせず、ぱっと未来から目を逸らした。


「…陣、オレたちはもう部屋に戻るか」


その場をおさめる意味もこめ、凍矢が陣に提案する。


「そうだね。やっぱり陣に付き合ってもらうのは悪いし、戻りなよ。しっかり休んで」


「そうだか?別に遠慮しなくていいっちゃよ。ま、今日は帰るだ。未来、またな」


「うん!バイバイ」


陣と凍矢は魔性使いチームの部屋に帰っていった。


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