long dreamA
□すれ違い
2ページ/5ページ
「あ、幽助!おかえり!」
気を失っている酎を連れた幽助が戻ってきて、未来が声をかける。
「黒メガネたちとは何か話してきたのか」
飛影が幽助に問う。
「決勝でぜってーぶっつぶすって言ってやった。ったくアイツらふざけたマネしやがって」
幽助はまだ怒りが冷めていないようだ。
「未来〜お疲れ!」
「わっ」
突然背後から何者かに抱きつかれた未来は驚く。
「ぼたん!それに螢子たちまで!オメーら来てたのかよ!」
幽助が驚きで大口を開けて叫ぶ。
「螢子ちゃんは幽助と喋っといで〜」
「な、そんな必要ありませんよ!」
なんだかんだ、ぼたんに背中を押された螢子と幽助は闘技場から出ていった。
「雪菜さあん!」
相変わらず雪菜にメロメロの桑原である。
「未来さん、お久しぶりです。また会いたいと思っていました!別荘での件は、本当にありがとうございました」
雪菜が桑原に微笑んだ後、未来に駆け寄りペコリと頭を下げる。
「私も雪菜ちゃんにまた会いたかった!氷河の国から出てこれたんだね〜」
未来も雪菜との再会を喜ぶ。
「はい。兄を探すために、期限つきで人間界に滞在することを許されたんです」
雪菜の言葉を聞いた瞬間、ピクッと反応した飛影。
「何かてががりはないの?」
「ないんです。私は兄の顔も知らないので…」
「オレも協力しますよ、雪菜さん!」
肩を落とす雪菜に、桑原が任せてください!と自分の胸を叩く。
「それにしても、未来がゲームに参加させられてハラハラしたよ」
「ホント」
しみじみと言ったぼたんと、煙草をふかしながらうなずく静流。
「未来ちゃんっていうのよね!はじめまして!幽助の母の温子よ」
黒髪のロングヘアの女性が、未来の手をとった。
「はじめまして。って、幽助のお母さん!?めちゃくちゃ若いですね…!」
中学生の母親とは思えない外見の温子を、未来はまじまじと見つめた。
「ちょっと〜おだてても何も出ないわよ!」
そう言いながらも未来に缶ビールを押しつけ、かなり嬉しそうな温子である。
プレゼントされた?ビールをどうすればいいか分からず、とりあえず手に持っている未来。
その未来を、ちょんちょんと鈴駒がつついた。
「オイラたちはもうホテルの自分たちの部屋に帰るね!」
酎を背負う陣と凍矢、鈴駒が去ろうとする。
「オレたちも部屋に帰りますか」
「そうだね。鈴駒たち、途中まで一緒に帰ろうよ」
蔵馬に同意し、未来が鈴駒たちを誘って皆でホテルを目指すこととなった。