long dream@
□伸縮自在!霊剣の力
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迷宮城内の廊下を歩く一行。
「それにしても蔵馬にはビックリしたよ。薔薇をムチにしちゃうんだもん」
未来は蔵馬の能力に、よほどの衝撃をうけたようだ。
「未来ちゃん、オレだってすげー技持ってるんだぜ。ほら!」
蔵馬に対抗し、桑原はオレンジ色に光る霊気の剣を出現させた。
「すごい! 桑ちゃん!」
ぱちぱち手を叩く未来。
「ほう…ただのでくの棒じゃなかったわけだ」
「死ぬかコラ!?」
素直に誉めない飛影の言い方に桑原はイラつく。
「ちっまあいいや…これからがオレの研究の成果よ。剣よ 伸びろ!」
桑原の声に従って霊剣はヤリのように伸び、天井を貫いた。
「そんな武器があるなら安心だね!」
少し明るい兆しが見えてきたか…?と未来は笑顔になる。
「おうよ!さっきはいきなり化け物を見てびびっちまったが、もう心の準備もOKだ。次の相手はオレに任せてもらおう!」
桑原は自信満々に胸を張るが。
「うっ…今の霊気の放出でかなり疲労が…」
「じゃ、やんな!戦う前に!」
頭をおさえる桑原に、幽助のもっともなツッコミが入る。
(ありゃりゃ…大丈夫かなこりゃ?)
未来が苦笑いをした矢先、
ヴオオオオオ…!!
この世のものとは思えないほど恐ろしく、大きな声が轟いた。
「なんなのこの叫び声!?」
「白虎の雄叫びだ。彼はどうやら相当ごきげんななめらしい」
怯える未来に蔵馬が説明する。
「こっちだ!」
幽助を先頭に声のする方へ走り、たどり着いた先に四聖獣のうちの一匹、白虎がいた。
巨大な虎のような、猫のような妖怪である。
白虎の前には円形の競技場があり、一本の橋で幽助たち5人がいる所と繋がっていた。
「わざわざオレ様にまで足を運ばせやがってクソ虫どもが。使い走りの玄武を倒したくらいでいい気になるなよ」
蔵馬の言った通り、白虎はかなり機嫌が悪いようだ。
「でけぇ…! 3m以上あるんじゃねーか!?」
冷や汗をかく幽助。
「あんな怪物と戦える人なんていないよ…!」
大砲を撃っても死にそうにない白虎に、未来は震える。
「いいかゴミども!てめぇらは全員オレ様のエサだ!5人一口で食い殺してやるわ!」
聞いているだけで腹の中をえぐられそうな白虎の声により、城の一部までもが崩れはじめた。