long dreamA


□種明かし
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一方、仙水と対峙するコエンマは、忍を出せ、と命じるも断られていた。


「だが今のワシの言うことは忍にも聞こえているはずだな。今からでも遅くない。こんなバカなマネはやめるんだ」


「手遅れだぜよく見ろよ。既に穴は安定期をこえた。もう開くのを待つだけなんだよ」


仙水の言う通り、洞窟の奥の空間には暗い大きな穴が開き、魔界の瘴気が漏れ出している。


「穴が開いたその上からさらに強力な結界をはることはできる」


コエンマの口から、未来たちの前で初めておしゃぶりが外された。


「数百年後に訪れる暗黒期を抑えるためにワシの霊気を凝縮している魔封環。今ここで使わざるをえまい」


数百年分のコエンマの霊気が集められているおしゃぶりは、光を放ち強大なパワーを秘められていることが分かる。


(霊界の方々が私のために霊気をああやって貯めていてくれたけど…コエンマ様は、ずっと前から暗黒期のために霊気を凝縮していたんだ!)


自分を元の世界に帰すには莫大なエネルギーが要るため、霊界の者たちがおしゃぶりをしてくれていたことは未来も知っていた。


しかし、コエンマが四六時中つけているおしゃぶりに、こんな真面目な秘密と理由があったとは思いもよらなかった。


「ここでお前の計画は崩れる。ワシを殺してこれを奪わぬかぎりな」


「てめェ…本気みてェだな。だが言ったじゃねーか、その女が生きてる限りオレは死なねえ。魔封環を使っても無駄だ。有効に使いたかったらその女殺してからにするんだな」


「そんなでたらめを言ってワシに魔封環を使わせんつもりか?」


「そろそろてめェらも理由が知りたいだろ。教えてやるよ」


ドキンドキンと、未来の心臓が早鐘を打つ。


自分の生死に関する事柄だから無理もない。
それに、未来には仙水が嘘をついているようには見えなかった。


「オレの魂の一部がその女の中に生きてるんだよ。もしオレが瀕死状態に陥っても、その女に宿るオレの魂が生を繋き死には至らねェ」


「はああ!?」


裏男体内から桑原が意味不明だと叫び、飛影と蔵馬、御手洗は眉間の皺をさらに深める。


「魂の一部が生き残っている限り人間が完全に死ぬことはなく復活可能。そうだろ、コエンマ?」


「それはそうだが…だが…」


「混乱するのも無理はない。オレが解説しよう」


樹が語り部を名乗り出た。


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