long dream@
□死を呼ぶ島へ
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武術会参加者を乗せた船は海上をゆっくりと進み出した。
「これからこの船の上で予選会を行いやす」
船長が皆に告げると同時に船の一部がせり出し、闘技場が出現した。
「実はすでにトーナメントに出場する15チームは決定し島で待機しておりやす。この船上にいる中で参加できるのはたったの1チームのみ!」
えええ〜っと船上中からブーイングが起こる。
「チームの中で最強と思われる人物を1名選んで、闘技場でバトルロイヤルしてくだせえ」
「そんなの聞いてないよ!」
武術会参加権利さえまだ与えられていなかったと知り、未来は船長に抗議する勢いで言う。
「ここは大将の浦飯が…って寝てやがる!」
いつの間に深い眠りに入っていた幽助に驚愕する桑原。
すっ…
沈黙を保ったまま覆面が闘技場に向かう。
「面白い、奴が行く気だぞ。どれ程の実力があるか見物させてもらおう」
お手並み拝見だ、と飛影。
「あいつが負けちまったらどうすんだよ。オレたち出番なしでとんぼ返りかよ!未来ちゃんのためにも優勝しなきゃいけねえのに!」
桑原は覆面が戦うことに乗り気ではない。
「そのときはオレ達でこの船の奴等を皆殺しにすればいいだけの話だ。そうすれば誰も文句を言う奴がいなくなるだろ?」
「なっ…」
「その発想は…なかったなあ」
さらりと言ってのけた飛影に、桑原と未来はドン引きである。
「では始め!」
船長の一声を合図に、バトルロイヤルがスタートする。
「一番弱そうな奴からくたばれえ!」
「まずはテメーだ!」
一斉に覆面へ攻撃しようとする他の代表者達。
集中的に狙われた覆面だったが。
ビュオッ
覆面の手から霊丸のようなものがいくつも飛び出し、全員を倒してしまった。
「トーナメント16チーム目は浦飯チームに決定!」
一瞬の出来事に皆が呆気にとられしんとした船上に響く船長のアナウンス。
「あれは浦飯のショットガン。あいつは何者だ…!?」
「…フ 幽助がなんの心配もなく、ぐっすり眠れる理由が分かるね」
覆面の強さを桑原や蔵馬に知らしめす結果となった。
(だって、あの幻海師範だもん!勝つのは当然だよ)
幻海の活躍を、自分のことのように喜ぶ未来だった。