long dream@
□地獄の部屋
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「オレの部屋に招待するって…白虎の部屋ってどんなのだろ?意外にもピンク系の家具で埋めつくされてたら笑えるよね」
その中にいる白虎を想像して吹き出す未来。
「地獄の部屋っつーんだからそれはねーだろ。あのデカネコ、招待すんなら茶と菓子ぐれー出すつもりなんだろうな」
「…バカどもが」
未来と幽助を見て飛影が呟く。
「ここか!」
たどり着いた白虎の部屋は、まさに“地獄”だった。
ぐつぐつ煮えたぎる赤い液体の湖の中に、点々と設けられた円形の足場。少しでも足を踏み外せば落ちてしまいそうだ。
「こんな部屋じゃ全然くつろげないでしょ。こんなのが自室なんて、なんか白虎がかわいそうだよ…」
地獄の部屋に衝撃を受けすぎて思考回路がおかしくなった未来。
「げ…こりゃマジで地獄の釜だぜ」
「落ちたらひとたまりもねえな…」
衝撃を受けたのは幽助や桑原も同じだったようだ。
「ここがオレ様の遊戯室だ。いい眺めだろう?下は見ての通り落ちれば骨になるまで溶かされる濃獄酸の風呂だ。さあ度胸のある奴から降りて戦えい!」
足場のひとつに乗った白虎が呼び掛ける。
「ヤロー死にぞこないがふざけた部屋に案内しやがって。オレがとどめさしてやんぜ!」
「だ、だめだよ!」
降りようとした幽助の腕を、未来は掴んだ。
「そうだぜ浦飯!ヤツの相手はオレだろーが」
「桑ちゃんだってダメだってば!」
もう片方の手で未来は桑原の腕も掴む。
「しょうがないな…じゃあオレが行こう」
「くくく蔵馬もダメ!」
もう両手がふさがっているため、一生懸命叫んだ未来。
蔵馬はくすりと笑うと、
「貴方は行かないんですか?」
黙っていた飛影に問いかける。
「…聞かなくても分かっているだろう」
自分が行っても構わないと思っているのだが、予想できる展開にノるつもりもない飛影。
「でも未来、誰かが行かないと先に進めませんよ」
「そうなんだけど…」
蔵馬に指摘され、未来はうつむく。
白虎らを倒さなければ、虫笛は壊せず、街は救えない。
分かっているのだが、こんな恐ろしく危険な場所で皆に戦ってほしくなかった。
「未来ちゃん、手ー離してくれ」
「桑ちゃん…」
「アイツの相手はオレだ。タイマンは野球じゃねえ。リリーフ・エースにゲタあずけてベンチで麦茶なんてワケにはいかねーんだよ。てめーのケツぐれーてめーでふくぜ!」
桑原の内にみなぎる漢の勝負へのこだわりを聞き、未来は二人の腕から手を離した。
命を危険にさらす。それを承知で四人は迷宮城へ来ているはずだ。
(本気で戦っているみんなを止める権利は私にはないね…)
そう悟ったのだった。