壊してしまおうか
□死にたがりV
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急かされるままに、大型スーパーで、万引きをしたり、
それをするたび、みんなは喜んでくれたものだ。男女問わず誰でも。
足を引っかけ転ばせたときは、男子たちは手を叩いて大爆笑。
頭に水をぶちまけたときは、女子が声高らかに笑ってくれた。
万引きをした時も、俺は優等生だから、全く疑われることもなく、
成功した時は、耳にピアスを開けた男子たちに頭を撫でてもらったものだ。
俺は、みんなが喜んでくれているなら、みんなに好かれているならこれで問題はないと思っていたのに。
徐々に、数人の生徒は顔から笑みやなにもかもを消し、俺を憎むように怖がるように見るようになった。
俺は、焦ってなんとかジョークを絞り出すも、その数人の生徒が笑みを作ることはなかった。
そのうち、クラスで不登校児が出るようになった。
俺はみんなに急かされるままに、耳にピアスを開けたり髪を黄色に染めたりもした。
母親は…母さんはそれでも微笑んで許してくれた。
でも、なんとなく薄々と感づいてしまったのだ。
俺がやってることは正しくない。