壊してしまおうか
□ルービックキューブ
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[たまにそんな事気になって頭回す]
「あ、ルービックキューブ」
そんな言葉を聞いたのは、何時だったか。
平穏だった。
特に問題もなく、スムーズに流れる、授業風景。
在り来たり。
そんな日常が、少年は何となく気に入っていた。
少年、星野勇馬は、ただ何となく聞こえてきた、その言葉にふと、違和感を感じ。
授業を聞きながらも思考はそちらの方へ向いていた。
それは勇馬にとって、はじめてではない。
ここ最近、何かの言葉に敏感に反応し、なぜ反応してしまったのかを黙々と考える。
まるで現実逃避をしているみたいだと、自分嫌悪を覚えながらも少年はどうしても、その答えを知っておかないといけなかった。
(あの子に見下されるのは嫌だから)