壊してしまおうか
□死にたがりV
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一番を目指した。
頭が良くて、体力もあって、みんなから慕われる存在。
一番になりなさい。一番で居続けなさい。
母親はいつだって俺にそう言い聞かせた。
俺はそんな母親の言うことをただ素直に受け入れた。
人気のないところで、人一倍の努力をした。
何時間も走り続けて倒れたことがある。
肉離れは、ほぼ毎日だ。
家に帰れば、何時間も部屋に閉じこもって、勉強し続けた。
ただただ無心で、集中し続け。
そんな姿を母親はただただ喜んでくれた。
努力の甲斐あってか、学年の成績は一位で、
どのクラスの奴らにも体力で負けたことはない。
暇さえあればテレビの前に座って、話題に取り残されないようにバラエティ番組などのネタを探し出し、
何度もシミュレーションして。