壊してしまおうか
□死にたがり
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僕は何もできなかった。
勉強も、スポーツも。
役立たずだった。
友達はいなくて。
信用できなくて、
信用したくなくて。
期待されたくもなければ
期待したくもない。
親を信じる事もできない。
僕は、本当に恥の多い人生を送っていた。
ドジでまぬけで、常にみんなからの笑い者。
水を頭からぶっかけられたり、足で僕を故意に転ばせたりもした。
僕はいじめられっ子だった。
でもしょうがないと思った。だって僕は何も出来ないから。
そうして生きてきて、僕は中学2年生になった。
初めてのクラス。初めて会う人たち。
2−Aという文字がある教室の前で僕は立ち止まってしまった。
ドアを開けるのが怖い。みんな入っていて、僕が入ればきっとみんなの目が僕に向く。
それが怖い。
僕は震える手と足を必死に押さえつけ、冷静になれと自分に言い聞かせた。
コレが僕の運命なのだから。
僕はそう思い込む事でなんでもやり通せた。だから今だって、そうだ。
震えが止まり、深呼吸を一つして、扉に手を掛け、開く。
ぎろっとみんなの目が僕に向けられた。
女子は既に輪を作っていて、男子も男子で輪を作っていた。
僕は向けられたその視線から逃げるように地面に目を落とし、空いてる席に座った。
席に座っても僕はひたすら視線を地面に落としていた。それ以外に目を向ける事など僕には出来なかった。