☆捧げ物&頂き物☆

□憧れの先輩
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私には憧れの先輩がいる。

同じ委員会の潮江先輩も同じ様に尊敬してるけど、それ以上と言っても過言ではない。



くノ一教室の六年生で、最強少女と言われている。私と同じ火器を扱い、火器の名前は全て花の名前ばかり。忍術学園に通いながらも、もうがっちり仕事をしちゃってる。学園長やシナ先生に許可を取るには時間がかかったと思うけど、許可が下りた事は凄い事だと思う。


その憧れの先輩が、今日…学園を辞めるらしい。


理由は色々あるらしく…1つは先輩の住んでいた村が襲われた。その手助けに行く事になり、先輩も戸惑いを隠せなかった。2つ目は村が襲われた報告と同時に別の城からスカウトが来て、1つのスカウトかと思ったら色んな城からスカウトが来て、あのタソガレドキから来たという噂もある。それを聞いた私は益々目を輝かせて先輩を見た。すると先輩は細長くて綺麗な手で私を撫でてくれた。



今から色々と思い出せば先輩との思い出が蘇る。








・・・
・・








これはとある日、まだ一年だった私は自慢の火器を持って、ぼーっと授業を見て居た。つまんないなぁ、早く私の天才的な技を見せたいなぁと思って居たら後ろからポンと肩を叩かれた。



「やあ、君は新入生なの?」

「?!…は、はい!」

「あれ、君は火器使いなんだ、可愛い火器だね!」

「?!よ、よさをわかるんですか?!」

「勿論よ、私も君と同じ火器を使って戦ってるんだ、まだまだ修行中だけど。」

「ぜひ、みせてください!!」



叩いた人は、勿論憧れの先輩の名字名前先輩。その時は四年生でショートヘアーだった。

私を軽々と抱きかかえ、先輩が練習されていたとされる場所へ案内された。



「此処で見ていてね。…猫柳、ファイアー!!」



ドカーン



「!!…うわぁ…すごいです!!このかきはかのんほうですよね!!」

「そうだよ、良く分かったね!…そうだ、名前は?私はね四年ろ組の名字名前!」

「わたしはいちねんろぐみのたむらみきえもんです!名字せんぱい、よろしくおねがいします!」

「はははっ、私の事は名前で良いよ、三木ヱ門!」

「はいっ!名前せんぱい!」



「名前せんぱい、さっきいってた”ねこやなぎ”はこのかのんほうのなまえなんですか?」

「そうだよ、私の火器達はね全部花から名前を取ってるんだ。」

「はなから?バラとかたんぽぽみたいにですか?」

「そうだよ。でもね私はそこら辺にある花からは取って無いんだよ、花言葉から意味を調べて似合いそうな名前を選んでるんだ。」

「じゃ”ねこやなぎ”ってどんないみがあるのですか?」

「猫柳は”努力が報われる””親切””自由””思いのまま”という意味があるんだ。このカノン砲にはね、自由のままに撃って欲しいという意味を込めて猫柳にしたんだよ?」

「うわぁああ…!せんぱいさすがです!!わたしもまねてこのかのんほうのなまえを”ユリ子”にします!」

「ユリ子か…良い名前じゃないか!!無垢で純白…三木ヱ門良い名前だよ!!」

「はいっ!!」



この時、私は嬉しくなってずっとユリ子のそばに居た。そして次の日、また名前先輩に会っては撃ち方などを教わり、仲良くなっていた。

例え会計委員会に入って徹夜しても名前先輩は態々起きて、私の話に付き合った。嬉しくて朝まで語った事があって、よく先生に怒られてた。






















思い出したら先輩と過ごした日々がいっぱい浮かんで、話してしまったら絶対に1日では済まない!!

軽く1週間はかかると思う。



いつもの様にユリ子の散歩していたら、門の前で私服姿の名前先輩が居た。そうか、もう行っちゃうのか…

って、まだだった筈…私はそのまま名前先輩の元へ駆けて、話をした。



「名前先輩!!」

「あっ、三木ヱ門!!どうしたの?」

「ま、まさか…もう行っちゃうんですか?!」

「行く?…ああ、そうだねそろそろかな。」

「?!?、そ、そんなぁ…私何も用意してないですよ!!」

「用意なんて要らないよ、こうやって私の事を見送ってくれたら、それで嬉しいからさ。」

「そ、そんなの…名前先輩が嬉しくても、私は…っぐ…な、納得行きません!!」

「!!…三木ヱ門、あなた泣いてるの…?」

「えっ…?!」



笑って見送ろうと思って居たのに、気づけばポロポロと涙を零していた。

それを見た名前先輩はいつもと変わらない笑顔で、手拭いを出し、私の涙を拭いた。



「泣くなって三木ヱ門、余計行きにくくなるでしょう。」

「で、でも…」

「例え私が居なくても三木ヱ門はしっかり出来るよ?それに別れとは言っても永遠の別れじゃないんだから。」

「でも、名前先輩が居なくなるって事は、私の中では永遠の別れと同じです…」



私は名前先輩に抱き着き、泣きながらも何回も行かないでと言ったが、名前先輩はただただ笑顔しか見せなかった。



「また戻ってくるよ、絶対。」

「…戻るっていつですか?」

「うーん、そうだね…その時に依るからまだ言えないかな?」

「……」



と言って、名前先輩は「そろそろ行くね、見送りありがとう、三木ヱ門!!」と軽く私に抱き着いた。ふわっと柑橘類の匂いがして、そのまま居なくなった。

















・・・
・・

















あれから何週間経ち、私はいつもの様に門の前に立って居た。


名前先輩と別れてからも、毎日、雨の日・風の日時間がある限り待ってたけど、来ない日々が続いた。



「”また戻ってくるよ、絶対。”とか仰ってたけど…絶対嘘だ……」








「……」








「私はずっと此処で待っていて、小松田さんに聞いたり、学園長やシナ先生に聞いても”まだ来てない”との返事ばかり…」












「…ふふ。」























「…名前先輩の……嘘つき!!!」























「…誰が嘘つきだって?」















「?!!」



後ろを振り向いたら、そこには髪の長い…私が待ちに待ってた…名前先輩だった…!



「!!!…はぁ…ああ…名前せんぱぁいっっ!!」

「おうおう、三木ヱ門、待たせてしまってごめんね。」

「…そうですよ、私ずっと待ってたんですからね!!先輩の”また戻ってる来るよ”を信じて毎日門の前で待っても来ない日が続いて…私凄い心配だったんですよ!」

「いやぁ…それが色々あったからね。でももうそれは無いと思うから!」

「…何故ですか?」

「私ね、今回忍術学園に働く事になったんだ。事務員兼くノ一教室で火器とかの武器を教える担当になったんだ。」

「えっ、って事はずっと此処に居られるんですね?!」

「うん、ずっとだよ!!多分!!」



やっぱり、先輩は凄かった。

これからも永遠に私の「憧れの先輩」です!!







 
 
 
 
 
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