☆捧げ物&頂き物☆

□天然ボケ
1ページ/2ページ



「今日、俺ら日直やな」

「あ、だよね。職員室行かなきゃ」

隣の席のゆいかと共に日直の仕事へと向かう。
ごくごく普通通りに職員室に行き、ごくごく普通通りに仕事を終えようとしよう。

「この日誌かきおえたらやっと帰れるで!」

「そうだね。
てゆか、今日に限って先生雑用私らに押しつけすぎっしょ。」

「なー。」

「謙也、部活行きたい?」

「行きたいで。」

「じゃ、もういいよ。」

「おん。・・は?!」

「あと日誌書くだけだからもう謙也は部活行っていいよ?大会近いよね?」

「せやけどそんなん無責任ちゅー話や。
最後までやったるで。」

「いいの?」

「当たり前や。
女子一人に仕事を押しつける男は最低やって小春も言うとったし。
気づかいおおきに。」

テニスしたいで。
ごっつしたいで。
でもそんなんいつでも毎日できるやん。
逆にゆいかと二人きりでおれる時間の方が少ないやろ?
なんてかっこついた言葉は俺の口から言えるハズもない。
第一、俺がゆいかのこと好きやなんて当の本人気づいてないしな。
片思いってこんなにもムシャクシャするんやな。
この際、言ってやろうかな。

「ゆいか」

「ん?」

「その、日誌書いてる途中で悪いんやけど」

「あ、お金は貸さないから」

「ちゃうし、いらんし、金やないし!」

ボケをかませてくるとは。
東京から来たゆいかも大阪の雰囲気に慣れ来たってことやな。

「違うの?」

「アホ!!!ちゃうねんって・・俺な、」

「俺な・・?」

「ゆいか俺な!ゆいかのこと好
「謙也!お前遅いんやけど」
「謙也さん、浪速のスピスタなのってるわりには作業遅いっすわ。」?!」

・・・ん?

「遅くまで謙也に付き合い御苦労やな、ゆいかちゃん。」

あ、これ邪魔されたで。

「ゆいか先輩、こいつ自分の部屋に卑猥な本山ほど「ほざけ財前!」」

「うわぁ。テニス部っておもしろいなぁ」

「笑ってる場合やないでゆいか・・」

「あぁ、なんか邪魔した見たいっすね。
すんませんww」

何やその笑い。
何その「フッ」みたいな笑い方。
何?!

「謙也、告白中やったんやな。」

「告白って人生の?」

「いやいや!
ちゃうよ!
ゆいかちゃん意外とセンスあんねんな。」

「もういいから出てってくれ。お前ら」

「じゃ行きますか白石部長。」

「そうやな」

そう言って白石と財前は教室から出ていく。
騒がしいやっちゃ。
俺の邪魔しよって。

「で、あの二人は何がしたかったの?」

「俺にわかるわけないやろ」

様子を見に来たのか邪魔しに来たのか冷やかしに来たのかのどれかやで。

「じゃこの日誌届けてくるね。
帰る準備しといていーよ」

「えっ!?」

「何。」

「いやあのさっきいいかけたことなんやけどな。」

「うんうん」

「俺と、いや・・あの」

「もっとハッキリ」

「はっはいっ!
ゆいか!俺好きなんや!」

「・・・」

「なんやゆいか、固まってもうて。
冗談やないから安心しい。」

「いやあのね」

「おん」

「好きって何が好きなの?食べ物?」

「へ?」

「じゃ、えと・・ゆいか!
俺と付き合ってくれへんか。」

「どこに?」

ダメやこいつ。

「ほ、ほんならLOVEで好きゆーたら通じるんか?」

「へ?
えっと・・その・・そーゆうことね・・完全に理解した(わかってない)」

やっと理解したんやな。
ちょっと動揺してる。
俺も息切れしとるわ。

「愛してるって意味だよね?」

「せや。
ゆいかのこと愛しとるし好きやし付き合ってほしいんや」

「うん、いいよ」

「はやっ」

「いいよー謙也彼氏で私嬉しいよー」

「お前ほんっと変わってんな・・」

「あっさり爽やかフレッシュサラダってね!」

「なんでや!もうボケんでええねん!」

「バレたかぁ」

「・・はぁ」

俺の好きな女は天然ボケ少女やったっていうことを今知ったで。
天然って割と突っ込みづらいんやけど、

「付き合った記念にどっか寄って帰る?」

そう笑って問いかけてくる彼女は死ぬほど可愛くてしょうがなかった。


次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ