☆捧げ物&頂き物☆
□夏の風物詩
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「マジでホントもう無理!!」
「ダメっすわ。あと1時間」
「お願いお願い!もう私見れない!!」
「何度言っても無駄ッスよ」
さっきからなんのやり取りをしてるかというと、今私の前にあるテレビの内容で、「夏休み特別恐怖映像」というのをしていて、財前は、私が怖いのが苦手だというのを知っておきながら後ろから抱き付いて身動きを取れないようにしている。
『お分かりいただけただろうか?
画面右下の方に・・』
暗くて低い声でナレーションをする男性。
もう怖い無理本当に死ぬ。
しかも、
「部屋が暗い!!」
部屋の明かりは全くなくて、テレビの明かりだけが私と財前を照らしている。
「そっちの方が雰囲気でるじゃないスか」
「でなくt「キャー!!!」
テレビに出演している女優さんや、司会者の叫び声にびっくりして思わず財前に抱き付いてしまう。
「もうやだテレビ消して!
つーか消せ!先輩の言うこと聞け!」
声が震えていて今にも泣きそうになってるというのが財前にバレているかもしれない。
「先輩・・」
やっぱり、バレたかな。
「なんかすんません」
そう財前が謝った時、
ブツッっと、いきなりテレビが勝手に切れ、真っ暗になる。
それにびっくりしてしまった私はまた震える。
「先輩、大丈夫やから。落ち着いて下さい」
私を安心させるためか、抱きしめる力を強める。
「・・ごめん・・財前・・」
その時、私は絨毯が引いてある床に押し倒される。
「財前!?」
真っ暗で何にも見えなくて、呼んでも返事がないからまた少し恐怖心を覚える。
「?!」
いきなり財前の唇と重なる。
「ゆいか先輩、やっぱ怖かったんスね。
アカン、泣かせてしもた・・」
小さな声でボソッと呟く財前。
「もうこんな思いさせへんから。」
「・・意地悪」
「・・・しゃーないッスわ。
次からは、白石部長達も呼んで「呼ばんでいい!」」