悪戯な猫

□怒らせてはいけない
1ページ/6ページ





依頼の内容は闇ギルドの壊滅


といっても名は聞いた事がないような弱小



それでもバラム同盟…闇の三大組織の傘下であるからそれなりに報酬ははずんでいる




『…まさか、これに乗るの…?』



「そうだが、どうかしたのか?」



『……いや、僕は遠慮しようかな…ね、ナツ』



「おお、おう…」



暑くもないのにだらだらと汗を流し始める2人



何とかしないと乗るはめになってしまう、と必死に考える



『…走っていきます』



だめだ、これしか思いつかない


走るのは疲れるから嫌だ…けれど汽車に乗るのはもっと嫌だ



『じゃ…後でっ!?』



エルザに首を捕まれる



「単独行動は禁止だ」



「おぉぉ…」



『………終わった』











――――――――――――
――――――――




『うぅぅぅぅ〜…』



「おぉぉぉぉ〜…」



汽車に乗ってから30分、ずっとこんな調子


窓の外に顔を出し、風に当たって何とか気分を和らげようとする…が大して効果はない



それどころか酷くなっているような気さえ起きてきた




「……怖いんですけど」


「いつもの事だ」



「滅竜魔導士の運命ってやつかねぇ…」



「あい…」


『あの世が見えるよ〜…』



「「「もう、だめだ…」」」
























《ジェシュビック〜…ジェシュビック〜》




『ついたあ!!』



車内アナウンスがかかると同時に駅へと飛び出すソニエル



ナツは後遺症が残るがソニエルに至っては乗り物に乗っていなければ害はない



『死ぬかと思ったぁ〜…』



「お前…よく、そんな元気で、いられる…な?」



『ナツ、大丈夫?』



「放っておけ、そんな奴」



「んだ、とぉ…?」



「お前はいつも足手まといだな」



「グレイ、てめぇ〜…!!」



いつも張り合ってケンカしているナツとグレイだけど



今、この瞬間ではナツの方が格段に弱いだろう




『御愁傷様、ナツ』




ナツが可哀想に見えてきたソニエルだった





次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ