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□君はスパイシーな砂糖菓子
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フと思い出して口ずさんだ歌は、あの人のコトだと思った。

俺の、可愛い恋人のようだ、と。














*君はスパイシーな砂糖菓子*
















ふわっと甘い匂いがして、隣を見れば綺麗な横顔。

さっきから読書に没頭している彼の、髪から漂ってきたらしいその匂いに、誘われるようにサラリとしたそれにそっと触れた。

けれど彼は気付いていないようで、視線は専ら手の中の文庫本。

俺は小さくため息一つ。

大体、ここは俺の部屋で、二人並んでベッドに腰掛けてて、それでなんですることが読書なのか。

俺が飲み物取りに行ってる帰ってきたらもう既に彼は本の世界に入り込んでいて。

邪魔するのも悪いかなって思って黙って隣に座ったけど。

これじゃあ二人でいる意味ないじゃん。

いや、確かにこうして一緒にいるだけでも勿論幸せなんだけど。

でも、やっぱり放っておかれる方としては寂しいわけで。

でもやっぱり声を掛けるのも躊躇われて。

どうしたものかと思っていたら、急に眠気に襲われた。












「…?」

フと気がつくと、視界はぼやけていて…自分が寝てしまっていたのだとわかった。
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