小部屋の片隅で

□奈落
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「ルーク!何してるの?兄さんから離れてっ!!」


「待ちなさいティア!様子がおかしい」




『ND2000.ローレライの力を継ぐ者、キムラスカに誕生す
其は王族に連なる赤い髪の男児なり
名を聖なる焔の光と称す
彼はキムラスカ・ランバルディアを、新たなる繁栄に導くだろう


ND2002.栄光を掴む者、自らの生まれた島を滅ぼす
名をホドと称す
こののち、季節が一巡りするまで、キムラスカとマルクトの間に戦乱が続くであろう


ND2018.ローレライの力を継ぐ若者、人々を引き連れ鉱山の街へ向かう
そこで若者は力を災いとし、キムラスカの武器となって、街と共に消滅す

しかる後にルグニカの大地は戦乱に包まれマルクトは領土を失うだろう
結果キムラスカ・ランバルディアは栄え
それが未曾有の繁栄の第一歩となる』





「……な、なぜあなたがそれを…」



『これって秘預言だっけ?ははは…まあいい。

何回も聞いてきたものだからな、嫌でも覚えるよ』



びちゃびちゃと水音を発てながら歩み寄り、瀕死に陥っているヴァンを蹴りティア達の方へ転がす



「に、兄さん!?いゃぁぁぁぁぁ!!!!」




「貴様誰だ!どうして……ルークとヴァン師匠を殺した!!!」



涙声になりながら噛みつかんばかりにかかってくるアッシュ

アッシュが俺の名を呼ぶなんて意外だ。普段はレプリカだの屑としか呼ばなかったのにな



『あぁ、コレ?
舞台に上がる役者じゃないから救ってやったんだよ』

ゴヅッと音を発てながらルークの顔が見えるように足で軽く蹴る


途端に響く女の叫び声。
うるさいな



「何訳わからねぇこと言ってるんだ!」




全く不思議だなアッシュ。
俺とお前が同じこと言うなんて



『俺はこの哀れなレプリカルークを救ってやったんだよ。
心配しなくていい。お前らも同じ様に救ってやるから

なぁアッシュ。いや、居場所を奪われた被験者ルークさん』




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