小部屋の片隅で

□裏切者の末路
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チュンチュンと小鳥が鳴き、爽やかな風が窓から吹き込む




コンコン──



誰かが扉を叩く音が響き、アニスは驚いたように飛び起きて周りを見渡す



「っ……!ゆ、め?」



しかしそこは見慣れた自室


深く深呼吸をして早鐘を打つ心臓を静め扉を開くと、そこには緑色の髪を持つ大好きだったイオンと同じ顔の少年



「あれ、フローリアンどうしたの?」


「うん。あのね、黒い人がアニスを探してたから、アニスここにいるかなーって」




「ふふふ、なぁにそれー?」





楽しそうな声は遠ざかり、やがて消えていく。

しかし彼女は気づいていない


自らの頬に残る一筋の涙の跡と
砕けたカップに───









“大好きなアニス

でも、忠告したはずだよ?

裏切者の末路に光はないって”










Does a dream still continue?



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