もう一つの世界
□第三預言
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ジェイドを撃退し、レイクは再び静寂の中に浸っていた。
(…そう言えば…
ルークの奴初めて人を殺したんだな…)
『“お前だって人を殺してるくせに”…か。』
キラキラと輝く星に腕を伸ばしながらレイクは呟く。
この手は多くの人の血で汚れている。
…俺は出来るなら人を殺したくない。
でも…守りたいモノがあるから…
空に翳した手を仰ぎながら呟く。
『…だから戦うんだ』
翳した手をグッと握りしめる。
その時、遠慮がちに自分を呼ぶ声がして、後ろを振り向いた。
そこには気まずそうな顔をしたルーク。
右手には包帯
左手には湯気の立つカップを持っていた。
『ルーク…こんな時間にどうした。
…眠れないのか?』
小さくルークは頷いた。
まぁ…そうだろうな。
そう呟き、レイクはまた煙草を取りだし火を着けた。
「腕…大丈夫なのか?」
はい、とルークはカップを手渡す。
『大丈夫だと思うぞ?ティアの回復譜術で血も止まってるし…』
そう言いながらレイクは立ち上がり、着いた草を払う。
そしてルークと向き合った時、視界が崩れる。
「レイク!!!!」
ルークは駆け寄り、倒れたレイクを抱き起こす。
『ははは…ちょっと血を流しすぎた…かな。』
ルークはレイクの手の冷たさに驚きを隠せなかった。
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