もう一つの世界
□第十六預言
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『にしてもさ、ジェイドはどうでもいいんじゃなくて、信用してるんだよなー皆の事』
「………あはははははは」
『なっ!?ど、どうした!』
急に笑いだしたジェイドを不思議な顔で見つめるレイク
「なるほど、そういう見方もあるのか…
確かに、そうでないといつまでも一緒に行動できないか」
『ジェイド?何一人でなっとくしてるん…』
ふわりと優しい香りが鼻先に広がる。
一瞬何が起きたか解らなかったが、直ぐにジェイドが自分を抱き締めてるのだと理解した。
『…ジェイド?』
「…ありがとう。レイクのおかげで私はやっと気づいた。」
とりあえずいつもと様子が違うジェイドの腕の中で暴れる事も怒ることもせず、自分から離れるのをただ待つ。
数秒間レイクを抱き締めて何もなかった顔をして相変わらず笑う
「頼りにしてますよ。レイク」
『俺もだよ。ジェイド』
誰も居ないアブソーブゲートの中間部に、パンッ!と互いの手を叩く乾いた音が響き渡った。
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