もう一つの世界

□第七預言
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『なんか…いろいろ倒れてるな。遺跡かなんかの残骸?』




辺りをキョロキョロ見回しながらレイクが聞く。



「これは遥か昔に滅んだと言われている都市…
正確には都市の外れ、とでも言った所でしょうか…」



「では、昔はこの辺りに人が住んでいたと言うことですの?」


ジェイドの答えを聞いたナタリアは首を傾げながら更に聞く。



「確証はありませんが、昔はこの辺りは砂漠ではなかったらしいですから。
何か大きな天変地異が起き砂漠になってしまったらしいですよ。」


「ふ〜ん…じゃぁさ、何で水はあるんだ?
なんで砂漠になっちまったんだ?」



オアシスの水を飲みながら、ルークが尋ねる。




「恐らくはあの譜石のせいでしょう。
譜石のせいで、地下にあった水脈が溢れだしたのでしょう」




「へ〜流石はジェイドだな。良く知ってるよ」



感心した様にガイが声をあげると、眼鏡を直しながらジェイドはしれっと答えた。



「いえ、さっきすれ違った商人に話を聞いただけです。」


「「「え」」」


ガイ・ルーク・ナタリアの声が綺麗に重なる。



『あぁ。さっき街に着いたばかりの時それを聞いてたのか。』



ポンッと手を叩き、一人納得した様に言うレイク。



(((え、だからいつ?)))



再び仲間の心の声が重なった。



『まぁ遺跡云々は良いけど…やっぱ暑ぢぃ…』



再び顔の前で手をパタパタやりながら唸るレイク。



「砂埃も凄いしな。
服を脱いだら砂の山が作れるぞ。」


服をバサバサやりながらガイが言う。



「確かにそうね。流石に私も水浴びしたい気分だわ…」




ティアがそう言うとルークが小さく「水浴び…」と呟く。




「ルーク。何を鼻の下伸ばしてるのです!!!!」


「ななな何言ってんだよ!!!!!」



慌てながらルークは弁解するが、効果は薄かった。




「ぶーぶー。えっちな事考えてる暇があったら、早くイオン様を助けて下さい!」



「まったく不潔ですわ!」



『うっわールークの変態ー』



アニス、ナタリアに便乗してるレイク。



「つかお前も男だろ!
少しくらい喜んでも良いんじゃないのか!!??」



ルークがそう言い指をさすが、ナタリアとアニスは理不尽なくらいレイクの味方をした。




「ルーク様!ルーク様が鼻の下伸ばしたのは事実なんですから!」


「そうですわ!」



「それにレイクなら多少そーゆー事考えても、可愛いから大丈夫だし!」




『可愛いい言うな!』





「つかもう…お前らマジうるさい!」





半泣き状態でルークはその場から逃げたが、女性陣はルークを追い掛けて行ってしまった。




「ルークが囮になってくれてよかったですね。ガイ」



「へ?」


スットンキョンな声を出し、ガイはジェイドを見た。



そしてジェイドの隣でレイクが口元に手をやり、『口。よだれ。』と合図をする。



「良かったですねバレなくて。」



『ばれたら袋叩きだったな…』




そう言い、三人は乾いた笑いを溢した。







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