もう一つの世界

□第四預言
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アニスの手紙は、前半が報告書

次に長々とルークへのラブアタック文。

更に一番最後にはイオンを心配した文。


と言う構図になっていた。




(俺に宛てた文って…何処にある?)




何度読み返しても同じ構図の文章に溜め息を付く。


しかしふっと便箋の端に走り書きの文があるのに気付いた。



そこには小さく
『怪我、しないでね』
と書かれていた。



『…………』


バシッと手紙をルークに押し付けたレイクは、顔を少し赤くして後ろを向く



「おや、レイクが照れるなんて…」



微笑みながらジェイドは更にボソッと言う。



「…気に入りませんねぇ…」




刹那

その場の空気が一瞬にして凍り付いた。



それを後ろ手できいて居たレイクは身体から血の気が引け、振り返れなかった。




(な…なんであいつあんなにキレてるんだよぉぉ…)




半ば半泣きでレイクはガイの後ろに隠れる
「ちょ…レイク!!!」



『悪いなガイ…今の俺にはジェイドが怖すぎる。』



そう言ってレイクは更にガイの後ろに隠れた。



「おやレイク、今度はガイに気移りですか。」



『お…お前のその微笑みが怖いんだっ!!!!』




それを聞いたジェイドは、更に胡散臭い笑顔を振り撒きながらレイクに一歩、また一歩と近付く



『ち…近寄るなぁぁ!!!!』


「あはは…逃がしませんよ〜」


『う、うわぁああぁぁ!!!』


「待ちなさい!」



そして再び追う者、追われる者を始めた二人に
ルークは勇気を振り絞って声を掛けた。



「あ…あのさ、アニスってカイツールにいるんだろ?
なら…急いだ方が良いんじゃ…」



とは言っても、肝心な大佐が約二名とも話を聞かずに何処かへ行ってしまったので、出発は明日となった。






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