世界の小部屋
□コードネームG
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今成り行き上だが世界を救うべく集結した七人は宿屋に滞在している
宿屋は貸切、つまり仲間以外誰もいない。
従業員まで居ないのは問題だと思うが、彼らにそんなことは関係ない。
ちなみにエルドラントと呼ばれる新生ホドが大地にめり込み、ヴァン達がまだかまだかと待ち構えている状態だが、それもあの七人には関係ない。
「え?世界は俺たちを中心に回っているんだろ?」
という傲慢だが逆らえない決まりでご勘弁頂きたい。
で、今宿屋の食堂では鼻唄を歌いながら二人の人間が昼食を作っている。
一人は色素の薄い長い薄茶色の髪でボン・キュッ・ボンのメロン事ティア
一人は毛先が赤紫、他は濃い紫色でロングの左目だけ赤い見た目女性の男性軍人事レイク
ルンルンとキッチンに立つ姿はどこからどう見ても仲の良い美女二人組だ
ただそれを声に出すと軍人さんが銃の乱射と白銀の刃を振り落とす確率が98.2%なので黙っておくのをお勧めします。
料理も順調に進み後は盛り付けるだけという時、キッチンの隅っちょからカサカさと音を鳴らして奴が現れた。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ」×2
宿屋に轟く絶叫…いや絶対外にも漏れてまっせ的な悲鳴、否、絶叫
イメージは苦手なジェットコースターに無理矢理乗せられた女性の絶叫みたいな(謎
それを聞き付けたルークが何事かと駆けつけた
「どうした!」
悲鳴をあげた二人は抱き合いながら部屋の隅っこで震えている。
出しっぱなしの水、開けっ放しの冷蔵庫、火に掛けっぱなしのお鍋
そして手には包丁。
しかもレイク君は二本右手に持ち左手にはフライパンを持っている。
「本当に何があったんだよ!?」
「奴よ!奴が出たのよっ!」
『黒光りしてて触角がみょんみょんってある奴が!』
「奴?触角みょんみょん?」
「だから奴よ!コードネームG!」
「こ、コードネームG?」
『このボンボン見たことないのか!?黒光りしてて触角がみょんみょんなコードネームGったらゴ【ピーー】しかいないだろ!』
ここまで聞いてルークも理解したのか軽く頭を振った。
「よっし。俺に任せとけ!」
そう力強く言い放ち、丸めた新聞紙を手に奴が出現した場所へと静かに近づく
と、その時
「いやぁぁぁぁぁぁ!!!!」
『ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!!』
ブーンと飛び立った奴に向かって水平に投げられた包丁がルークの頬すれすれを通過
しかし奴には当たらずザクザクザク、と壁に突き刺さる
しかし更に追撃で投げられたフライパンが見事命中し、奴は中身を撒き散らしながら短い生涯を閉じた(意味不明
重い腰を上げて面倒くさそうに現れたジェイドが見たのは、新聞紙を手に固まるルーク、再び悲鳴をあげるティア
フライパンを投げた形で戦闘不能に陥っているレイクの三人だった。