世界の小部屋
□超振動訓練
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超振動特訓・1
ダアトの宿に泊まる一行。ルークはジェイドに声をかける。
ルーク「ジェイド。頼みがあるんだけど…」
ジェイド「どうしたんですか、改まって」
ルーク「音素学の本を読んで超振動を勉強しようと思うんだけど、教えてくれないかな」
ジェイド「お断りします。私は第七音素を使えませんから。
それに超振動を勉強すると言うなら私よりレイクの方がいいのではありませんか?」
ルーク「…レイク、か。
大丈夫なのか?」
レイク「…俺に習うのが嫌ならティアに頼めばいいだろ」
ルーク「そ、そういう意味じゃなくて…
だいたい、嫌だなんていってないだろ!…頼むよ。」
レイク「ん?そう?」
宿屋に移動し特訓を開始したルークとレイク目を閉じて立っているだけの特訓にルークがしびれを切らす。
ルーク「なぁ!いつまでこんなことするんだよ」
レイク「静かに。ただ目を閉じるんじゃなく、この世界中に流れている音素を聞くんだ」
ルーク「……聞こえる訳ねぇよ」
レイク「耳で聞くんじゃなく、全身のフォンスロットで感じとるんだ」
レイクの脳裏にジェイドの声が響き、自分がまだ訓練生だった頃を思い出す
ジェイド「耳で聞くのではなく、全身のフォンスロットで感じるんです」
レイク「…全身のフォンスロットぉ?」
ジェイド「ええ。音素は音と属性の融合体です。視覚できることはそう多くありません。
しかしフォンスロットは音素、つまり振動を感じられます。
そこから体内に引き寄せるのが譜術の基本です」
レイク「…なんかわかったような…わからんような…」
ジェイド「まぁその内唐突に理解できるようになるでしょう。」
レイク「ふーん…」
ジェイド「ではここまでにしましょう。
───あぁ、そういえばネフリーからあなた宛に招待状が届いてますよ」
レイク「招待状?…なんの?」
ジェイド「結婚式の招待状です」
レイク「結婚式かぁ。楽しみだな、ネフリーさん綺麗だし」
ジェイド「ええ。私と共に出席しましょうね」
レイク「うん。」
昔の記憶を呼び起こしているとルークの声で引き戻される
ルーク「……聞こえる」
レイク「そこまで。
今の感覚。
内側から力が溢れるような、全身が震えるような感覚を忘れるな。
それが音素だ。」
ルーク「……あぁ、なんか掴めた気がする」
レイク「焦らずにいこう。訓練はまだ始まったばかりだからな」
ルーク「わかってるよ。……ありがとう。」
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