もう一つの世界
□第十八預言
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────…なら……代わりに………どう………だ………
……もち………きちんと…………てくる………引…?
…よかろ……からは………
ひっそりと囁くように、しかも途切れ途切れに聞こえる二つの声
誰もいないため、それは反響する。
「誰だ!!」
バッと手に持っていた明かりを声のした方へ向ける。
「きゃっ!!」
『アニス!?ルーク達と朝旅立ったんじゃ…』
「レイク!びっくりしたぁ…あ、忘れ物しちゃったから取りに来たんだよ」
『…まぁちょうどいいや。話がある』
「ほえ?」
「───…嘘、でしょ?」
驚愕し、目を見開く。
『本当だよ』
「わかっているな。もしも奴らに口外したら…」
「やめて!言わないから!言わないからそれだけは…」
『“忘れ物”はもう無くなったな?』
「うん…」
『じゃぁ行け。』
「え?レイクは…」
『俺はまだ用事があるから』
「あいつらには、ワシから伝えておく。」
『くれぐれも間違って伝えるなよ。
めんどくさくなるからな』
そう言い、レイクは教会を出ていった。
「ふんっ…死神め…生意気なことを言いおって。
しかし…タトリンを扱うよりは使える。
精々良い働きをするのだな」
そんな大きな独り言は、ひっそりと闇に溶けていった。
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