もう一つの世界
□第十六預言
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『ネガティブゲイトぉってうわぁっ!!』
「レイク!」
「はぅあ!!」
「きやぁぁっ!!」
「うわっ!!」
突如襲った大地震。
ルークとティア、ミュウ以外は全員分断されてしまった。
「レイク!」
『あたた…あれ?みんなは?』
「どうやら離れてしまったようですよ」
辺りをキョロキョロ見渡し、小さくため息をもらす。
『まぁ皆それなりに場数を踏んでるから大丈夫…かな』
「ええ。おそらくは」
ポケットからタバコを取り出してちらりとジェイドを見る。
どうぞ。という声を聞いて火をつけ、煙を肺に循環させる。
『てかさ、ぶっちゃけ勝算ある?』
「ふむ…ヴァンの譜術・剣術は相当なものですからねぇ。」
『だよなぁ…』
「しかし何より脅威なのはあの精神力です。
多少痛め付けても倒れはしないでしょう」
細く煙を吐き出し、相づちをうつ。
『やるなら徹底的に…ってか。
説得なんか聞かないだろうし。』
「はい。しかし、全員で戦っても勝てるかどうか…」
それを聞いたレイクは面白そうに目を細めた。
『なーに言ってんだよ。皆負けるわけないだろ?
それに────』
「それに?」
『俺が生きている限り負けるわけないだろ』
記憶粒子の煌めきに照らされ、優艶に映るレイクの姿。
『って訳で早く行くぞ。』
勝利の女神ですかねぇ。
そう呟いたジェイドの声は、彼に届かなかった。
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