もう一つの世界
□第十四預言
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ごめんなさい。
謝ってもしかたがないのは解っているけど…
“ごめんなさい”より“ありがとう”の方がいいかな?
シェリダンに着くとタルタロス最後の仕事の説明が行われた。
オールドランド大海を渡りアクゼリュス崩落跡へ行き、そこから地核に突入する。
作戦中は障気や星の圧力を防ぐため、譜術障壁を発動させる。
しかしこれは大変な負荷が掛かるため、イエモン達が逆算して、なんとか約130時間持たせられるようにしてくれた。
『つまり俺達がこの街を出た瞬間から時間が削られていくのか…』
「ここからアクゼリュスまではタルタロスで約5日
地核突入から脱出までを10時間弱で行えということか……。
これは厳しい」
難しい顔で呟く。
ほんの少しの遅れや失敗も命取りになる。
脱出はアルビオールで行う。
その為には圧力を中和する音機関を取り付けなくてはいけない。
作戦を開始すると決めたら、イエモン達が港まで送り
音機関を付け終えると、港にいるアストンがタルタロスの収納庫に入れておいてくれるらしい。
『…じゃぁ行くか』
仲間も緊張した面持ちで頷く。
会場を出るとシェリダンはリグレット率いる神託の盾騎士団によって完全に包囲されていた。
地核を静止状態にされては困ると言い、神託の盾騎士団はレイク達に向かって剣を振り落とした。
戦闘体勢に入ったレイクの隣からタマラが火炎を放射させ、ルーク達に港に行くよう命ずる。
時間が無い
早く行かんか!
イエモンの声を合図に走り出す。
しかし狭い町中のため迫り来る神託の盾を譜術で一掃する事も出来ず、仲間は街をなかなか出られなかった
「ジェイド!レイク!なんとかならないのか!?」
神託の盾の剣を受けながらルークが叫ぶ。
しかし仲間認識の出来ていない一般人が多すぎるため、二人とも譜術は使えない。
リグレットの銃が火を吹き、イエモンの腕を貫いた。
『イエモンさん!!』
振り返り駆け寄ろうとするレイクの行く手を阻み、タマラが叫ぶ。
「あたしら年よりの事より、やるべき事があるでしょうっ!!」
『…ちくしょう…!!!』
紫色の髪を揺らしながら街の北口に向かって全速力で走る。
後ろからは仲間の足音。
それに混じり、剣の交わる音と人々の悲鳴
視界の棲みには神託の盾に切り付けられていく街人
──ごめんなさいっ!!!─
そう呟きながらレイク達はシェリダン港目指して走り出す。
港に行く間にキムラスカ軍とすれ違った為ナタリアが街の事を頼み、仲間は再び港を目指して一心不乱に走り出す。
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