もう一つの世界
□第十一預言
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ヒュッと風切り音がして目の前を右から左へ花瓶が通過する。
それとほぼ同時にバサバサと音を立てながら次は左から右へ本が飛ぶ。
『……なに?この戦場…』
呆れ返る仲間の眼前では言い争いをする二名の人間。
一人は白髪と髭のオレンジと赤の模様をした服を着た老人
一人は同じく白髪の青緑色の服を着た軍人。
『あ…あのー…』
「ですから今軍がこの街を離れるわけにはいかんのです!
すでに敵前線はカイツールを突破しているのですよ!?」
「だからまず老人や乳飲み子だけでも避難させろと言っとるんじゃ!」
『あの…もしもーし聞いてま「我々がどんな思いでこの国を守っているとお思いか!!!」
声を無視され、話を聞いてもらえなかったレイクは大きな溜め息を吐き、タバコを吹かす。
その間も二人の言い争いは更に勢いを増し、しまいには互いが投げつけあっている物が仲間にぶつかり始めた。
「いって!!!」
ガゴンっ!!と音が鳴り、ルークの頭にフライパンがぶつかる。
「うわっウプ…」
ボフ、と音を鳴らし枕がガイの顔面を強打する
『…話を…聞けぇ!!!!』
遂に我慢できなくなったレイクが天井に向けて数発銃を放つ。
パンパンと乾いた音が響き、二人は驚いた表情でレイクに目をやった。
「レイク大佐!?
それからカーティス大佐!?生きて居られたか!」
グレン・マクカヴァンが驚きの声を上げる。
「ええ、生きてました。」
楽しそうにジェイドが笑い、レイクはプカプカとタバコの煙を発生させる。
『とりあえず、話があります。』
そう告げ、仲間達は二人に近付きピオニーとの話の内容を話した。
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