もう一つの世界

□第五預言
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アリエッタの一件があって以来、ジェイドとレイクは何処と無くぎこちなかった。



『なぁ…何か怒ってるのか?』


「…別に」



目線も合わさずにジェイドは答える。


数回こんな感じの会話を繰り返し、ついにレイクがキレた。



『言いたい事あるなら言えよ!』


バンッと机を叩き、立ち上がる。


「別にありませんよ。」



眼鏡を上げながら、やはり目線も合わさずにジェイドは答える。



それなら…



そう言ってレイクはジェイドの顔を両手で押さえて、無理矢理目を合わす。



『それなら、俺の目を見て話せよ』




久しぶりに合わさった赤い瞳。


やっと観念したのか、ジェイドは溜め息を付きながらレイクの手に自分の手を重ねる。




「それなら単刀直入に聞きましょう。」



貴方は一体何者何ですか。



立ち上がり、冷たい瞳でレイクを見る。


『何者って…どういう意味だよ』


「…貴方は六神将とも知り合いで、ヴァンとも知り合いだった。」


それに貴方はあの時、ヴァンの背中を見て呟きましたね?



─────お前の好きにはさせない──── と。




「あれはどういう意味ですか。」


『…別に…』



今度はジェイドが視線を逸らしたレイクの顔を押さえて目を合わせる。



「何もないなら、私の目を見て答えなさい。」




『な…何もないってば…』



今にも泣き出してしまいそうな位、小さい声で返す。




「レイク…正直に答えないなら、無理矢理白状させますよ?」

『や…ちょ…やめっ』


「さぁ、降参しなさい。」




『うわっ…やっ…』



「…大佐、端から聞いてたらすっっっごく怪しい会話なんですけどぉ?」



ドアの隙間から少しだけ顔をだしてアニスが笑う。



アニスが見たのは、髪の毛を可愛く結られたレイクだった。




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