小説

□Love Line Love Honey
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「むむむ……」




スケジュールが全て終わった夜、

……部屋の鏡に貼りつく俺。



自分の顔を見て格闘中!




……何をしてるのかって??



…そりゃあもちろん……!





「ベク〜

またアイライナー持ってるう〜」




「研・究・中!なのっ!!」





…恋人だろうが
チャニョリの声なんて
今は気にしないっ!



俺は只今、
アイラインの研究中なんだから!!





「最近いっつも
そればっかじゃーん」




「うるさいっ」




だって…

ファンのみんなに
もっと
いい姿見せたいし!!




…それに…


チャニョリにも
キレイって…可愛いって

思われたいんだもん……////




当たり前のことじゃんっ…!!!////






「…、できたぁ!!♡


…ね、チャニョリ!……どう?//」





「………ん〜…

……俺、


ベクはアイラインない方が
いいと思う」






…!?なっ…………





「なんてこと
ゆーのぉおおっ!!?」





「えっ!?」




「俺はっ……

一緒懸命っ…、


チャニョリにキレイって…

可愛いって言ってもらいたくて
頑張ってるのにッ……」





「そーなの!?

ちょ…ベクっ、泣いてる…!?」





ーーなんでこんなことで

泣かなきゃなんないの…!?





「ほらっ…ベク!!
泣くと
せっかくのラインが滲んじゃ…」




「研究用はっ…ヒック…
ウォータープルーフ
じゃないんだよぉおおっ!!

チャニョリのばかぁっ…!!!

ヒック…可愛いくないって
言ったくせにぃっ!!!!」




「!?可愛いくないって
言ったわけじゃ…」





せっかく……
頑張って可愛いくしてるのに

こんなのひどいよ……





ーーーこんな

くだらない事で
何泣いてんだよって…

頭ではわかっているのに

…涙がとまらない。







「〜っ、ああーっもう!!!」



「っ、…!?//」





チャニョリが
勢いよく
俺を抱き寄せて…

泣き声をあげる俺の口を
塞ぐかのように


……キスをした。






「…ヒック…チャニョ…っ、////」




「ごめんっ…!!!

…最近夜いつも
ベク鏡ばっか見て
俺の相手してくれないし…


ノーメイクのベクも俺
可愛いくって超好きだから…

…ない方がいいとか言った。


無神経だったよな。
……ごめん…」






ーーー何それ…



そんな寂しげな顔で
そんなこと言われたら


もう…何も言えないじゃん……






「……チャニョリのばか。」




「えッ!?」





俺は精一杯背伸びして…


チャニョリの唇に
…小さくキスをした。





「…ベク!?///」




「……結局っ…

俺はアイラインあっても無くても
可愛いってことでしょっ!?///」





ふんっ、と
唇を尖らせてそっぽを向く俺を


チャニョリがもう一度
ギュッと抱きしめた。





「そーゆうこと♡」




「…当たり前だよっ!///」




チャニョリの腕の中は
計算されたかのように
俺の身体がすっぽり入って

すごく暖かい。






「…でも、

俺のためにベクが
アイラインの研究してるなんて
知らなかったなぁ〜」




「…っ、///

…別に…」




「え?だってさっき
そー言ったじゃ〜ん♡」




「あーっもう!!////

うるさいうるさいっ」




「ベク可愛い〜〜♡♡♡」





チャニョリが再び
俺をギュッと抱きしめる。






「チャニョっ、//…って、………


ああぁッ!!!」




「え、何!?」




「ライナーのキャップ締めるの
…忘れてたぁッ!!!!」






ライナーの先を触ってみると
少しカピカピになっていた。





「あーんもうっ!!

上手く出ない〜っ!!!」





…研究用とはいえ
愛用していたからショック……




「俺が新しいの買ってあげるよ!♡

ウォータープルーフで!」





「え…いいの…?」





「俺のためのライナーだもんね♡」




「…っ、////」






「ーーーほら…

少し滲んじゃったから
直さないと…!」





チャニョリが後ろから
俺の肩を押して

鏡の前に向かわせた。




…鏡に映る

優しい笑顔で俺の肩に手を置く
チャニョリと

ラインが滲んだ
少し泣き顔の俺。





「でも…ホントに

アイラインあるベクも
キレイだけど…


アイラインのない
ノーメイクのベクだって
キレイだってこと

……忘れないで?」





「…、//」




「どんなベクも最っ高に可愛いくて

俺、大好きだから!!♡」





…何の恥じらいもなく
本人の前でこういうこと言っちゃう
チャニョリには

いつも驚かされてばっかりだけど…




なんだかんだで
俺はいつも

チャニョリのこういう
真っ直ぐな言葉に
支えられてるなぁなんて…

…思うんだよね。





ーー俺は


チャニョリに
聴こえるか聴こえないかの
小さな声で呟いた。




「……ありがと…/」





「?…何か言った?」




「…、なんでもないっ//


…ほらっ
ライン直さなきゃだからっ!
離れてっ!!」





俺にべったりくっついたままの
チャニョリ。



「このままでも
直せるんじゃない?♡」




「っ、うっとおしいっ!!///

……離れろぉっ!!!」




ーーーどんなに俺が
憎まれ口たたいたって




「やだー♡」





チャニョリはいつも笑ってくれて
俺の隣にいてくれる。



どんな俺でも…
大好きだって言ってくれる。




ーーーこれからも…一緒にいてね?




俺はチャニョリのために




いつまでも
可愛い俺でいられるように



…頑張るからーーー……。





……たとえ

アイライン
あってもなくってもねっ!!!






「…やだじゃないっ!!


…離れないと直せな……っ///!?」





ーーー鏡の中に




唇が重なった…

俺たちふたりの姿が映っていた。









Fin.

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