小説

□Wolf of a Full Moon
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「ベクっ、見て〜!!」



「あははっ!!!何やってんの
チャニョラぁ」






……今日もベクヒョンは

チャニョルヒョンと
楽しそうに笑い合っている。






「もうベク可愛いっ!!!好きっ♡」


「ちょっ
くっつかないでよばかぁ///」







二人の間にーーーー

俺の入る隙なんてないってことくらい
わかってる。






……それでも

思ってしまう。






ベクヒョンの…


あの瞳を独り占めできたら

あの小さな身体に触れられたら


どんなに幸せなんだろうって……











「カーイっ

ぼーっとしてどーしたの?」



ーー!!?




「ベク…ヒョン…//」








「悩みごと?

悩みごとならヒョンに
なーんでも相談しなさいっ!」





そう言って

キレイな手で俺の頭をなでる。









……できる事なら

このままヒョンの腕を引っ張って
自分のモノにしてしまいたい…


そう思った。







でもベクヒョンには
チャニョルヒョンがいる。





それに……


ベクヒョンの今の幸せを
壊す事なんて

……俺にはできない。








この想いは


いつまでも胸の中で

俺ひとりの中に
しまっておければいい……






そう思っていたのに……









ーーーーーーーー






あるオフの夜、



俺はひとりリビングのソファで
くつろいでいた。





みんながそれぞれ

実家に戻ったり友達に会いにいったりと

宿舎にいなかったけど





俺はとりあえず
ゆっくり休みたくて

宿舎でひとり休むことにしていた。











「ーーーもしもし、うん……。

そうなんだ。電車が…だから
今夜やっぱり帰れないよ…

うん、ごめんね。…じゃあね」







……ベクヒョン……?



今夜……帰らないの…?










ーーー胸が高鳴る……



落ち着け…









「あ、カイ!

カイは宿舎にいるんだっけ?


電車が今夜なくてさ、
帰らないことにしたから…

僕たちふたりきりだねっ」







ーーーーふたり…きり………








「でもよかったあ〜


宿舎で僕、
ひとりぼっちとか

さみしすぎるし、こわいし……


カイがいてよかったよっ♪」




そう言って……


ソファに座る俺の隣に
ちょこんと座る。




ドキッとした………




ベクヒョンが
こんなに近くにいるだけで…

すごく嬉しい……。






「見てー!!
月がすごくキレイ!」


部屋の窓から見える月は満月。



俺たちふたりを照らすかのように

大きく美しく
光輝いていた。









「カーイ…」


ただでさえ
アガってドキドキしてる俺に



ヒョンが目をつむって

俺の肩に寄りかかる。






サラサラだけど
ふわふわしたヒョンの髪が

俺の頬に触れる…





ヒョンの香りがする……








俺の理性が……崩壊しそうになる










このまま……

ヒョンをギュッと抱きしめたい。


ヒョンを感じたい…。



本気でそう思った。






でも……

ヒョンの幸せを
壊したくない

傷つけたくもない……













………その時


ヒョンが
寄りかかったまま
俺の腕に抱きついて…


可愛い唇を動かした…。






「カイの腕って…
オトコらしくて…すごくカッコいい…」














ごめん、ヒョン……


………ダメだ。



もう……………無理。








「……っ、ベクヒョン…!!!!」





俺は勢いよく
ヒョンをソファに押し倒した。






「…!!??…カイ!?」






「ごめん……ヒョン……」






そう言って

気づけば俺は


ベクヒョンの可愛い唇に

キスをしていた……。






「!!!??……ん…んっ////」





ヒョンが抵抗をみせても

俺は夢中になってキスをした。












「………っ、はぁっはぁっ…///

カ…イ……っ
どういう…つもり……!?」





あまりにいきなりのことで


ベクヒョンが
今にも泣きそうな瞳で

俺に問う。



その顔ですら
今の俺には

もっと見たいとしか思えない…。







「…俺、ヒョンがほしい……
ヒョンのこと…好きなんだ…」







「!?まってよ…っ、ダメだよ
こんなこと……//」








ーーー聞こえない。







ヒョンの不安でいっぱいの
可愛い顔が



俺の理性をさらに壊していく。








ベクヒョンの幸せを
壊したくないのに……





それでも俺は

自分の身体を止めることができない。







「ヒョン……」



「っ、ああっ////」





首筋にキスをする。





「や……だぁ…そこ…ダメ…なのっ…///」






ーーー可愛い…




「…どうして?」






「感じちゃう…からぁっ//あんっ///」







ヒョンのこんな声……


俺が出させてると思うだけで
嬉しくてたまらない……。








「ヒョンのその声…もっと聞きたい……

俺だけに…聞かせて…?」






首筋に舌を這わせる…。







「ああっ//…やだぁっ…あ///
あっあっ…んあっ////」




ビクビク震えながら
喘ぐヒョンの姿が

可愛いくてたまらない…。











「ヒョン……
もう俺、ガマンできない…」






ヒョンのシャツを脱がす。






「!!!??…まってよっ……ここから先は…っ」





「……どうして?」






「チャニョラに…
怒られちゃうから…っ」






「……知らない」








チャニョルヒョンに

後でどう弁解するのかとか
どう取り繕うとか


そんなこと考えるだけの
アタマはもう無い。








ベクヒョンを俺のモノにしたい



……ただそれだけだった……。










ーーー無理やり
シャツを脱がせば

ベクヒョンの綺麗な肌が
露わになる。






「や……だぁ…っ///」






その白く綺麗な肌に
唇を落とし

紅い印をつけていく……。







ーーーまるで

俺のモノだと主張するかのように……。








………もう、後には引けない。











ベクヒョンが
瞳を潤ませて俺に訴える。




「カイ…っ、おねがい…

もう、これ以上は……っ」







「ダメ……

ヒョンが…可愛いすぎるから……」








ヒョンのズボンに
手を掛けた。





「やだよ…いやっ…

いやぁあっ////」






本当に最低だと……

自分でもわかってる。





ーーーごめん…ヒョン……


ヒョンの幸せ
壊しちゃうかもしれない……






それでも

理性の壊れた俺は




この満月の夜


獲物に在りついた
一匹の狼のように






ヒョンを

俺のモノにするのだろう………







Fin.

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