小説

□Sweet Secret
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ーーーあるオフの日の午後。





僕、レイは宿舎のリビングで
雑誌を読みくつろいでいた。






宿舎の中は珍しく静か。



みんなそれぞれ
この貴重なオフの日を
有効に利用しようと



ほとんどのメンバーは外出。







「ベクーっ!ほんとごめん!!
ベクが宿舎にいるなら
俺も残ったのに〜っ!!」



「いいって!
チャニョラ、友達と約束
あるんでしょ?
行ってきてよ!楽しんできて!」






こんな会話がさっき
聞こえてきたから


宿舎に残ってるのは

たぶん、
僕とベクだけ。





僕もクリスと
出かけようかなとも
思ったんだけど





タオがクリスを引き連れて
買い物に行ってしまったので


僕はひとり、

こうして
リビングでくつろいで
いるんだけど……








「あれ…レイ?」


ベクがリビングの扉を開いて
入ってきた。





「クリスヒョンと
一緒じゃないの…?」





「うん、タオに持ってかれちゃって」





「タオのやつー、またなんか
ヒョンに買わせる気じゃないのぉ?」






ふふっと笑いながら
僕に近づく。








「なに…?ファッション誌?」




「うん
たまにはこーゆうの眺めるのも
イイかなって思って」




「レイはオシャレだから
読まなくても
だいじょうぶだよ〜っ」






そう言って
ふざけて雑誌を閉じようとする。






「こら…っ、ベクってば!」


「へへっ♪」





……閉じようとするベクの手が
僕の手に重なる。







わ………







ーーーーベクの手って


すごくキレイ……




男の手とは思えないほど


白くて…細い……








「ちょっと……レイ?
……どーしたの?」






ふざけていたベクだったけど



僕があまりにも
ジッとベクの手を見つめたいたので
不思議に思ったらしく



キョトンと僕の顔を
見つめている…。






ーーーーベクってこんなに

可愛かったっけ……







そう思うと同時に





無意識にも僕は
ベクのキレイな手をとって


その白く細い指に……


唇を落としていた……。










「…っ///!?…なにっ!?レイ…っ///」



……ベクが
あまりにもいきなりの事で
すごく驚いている。






「ごめん…ただ、
キレイな手だなって思ったから…」









「…っ////…僕っ
コーヒーいれるねっ////」




そう言って
僕の手から逃げる様に
立ち上がった。













ーーーーーコーヒーの香りがする。




ベクは今
何を思っているのかな……





正直、
僕自身も自分の行動に驚いたけど……




でも、
キレイな人を見たら


感じたくなっちゃうのが

男の心理ってもんじゃない…?









「…は…はーい!
コーヒーはいりましたぁーっ」






ベクが少し恥ずかしそうに
トギマギしながら

テーブルにコーヒーをふたつ並べ

そのうちのひとつを
僕の前に差しだす。







「はいっ!
冷めないうちにどーぞっ!!」



「うん、ありがとう」






コーヒーに手をかけて
口へはこぶ。




……チラッと横を見れば…





両手でカップを持って

緊張しながら
少しずつコーヒーを口へはこぶ
ベクの姿が目に入る。






その姿が…どんなに可愛いか……






緊張のせいで少し震えている
細い指先。


透き通る様な白い肌。


ピンクに染まる頬。

少し潤んだ瞳。








ーーーベクが悪いよ……


僕にはクリスがいるのに

こんな気持ちにさせちゃうんだから……










「ベク……」




少し口をつけたコーヒーを
テーブルに置いて



その手をベクの紅い頬に添える……。








「ちょっ……////今っ…
コーヒー飲んでるからっ…///」






そんな抵抗、通じないよ…?






「……こっち向いて?」







ベクのコーヒーをテーブルに置いて

頬に手を添えたまま
僕の方を向かせる。







「なに?////
レイ…どうしちゃったの……?」





「ベクを……
味見してみたくなっちゃった」




「へ…///?……んっ/////!!!」








可愛い唇を封じ込めるかの様に

……キスをする。





「ん、……っ、ん……////」




僕に少し
抵抗しようとする仕草も


全てが僕を更に煽る。









「……っ、はあっ///
はあ…っ…レイ…////」




「ベク…すごくおいしい……」





コーヒーの余韻の

ほろ苦さと……

キスのとろけるような甘さ……






「チャニョラと…

クリスヒョンに

…怒られちゃうよ……っ////」





「そうだね……

だからこれは……
僕たちだけの"秘密"ね……?」




そう言ってベクの首筋に

舌を這わせる……






「だ……めぇ…っ

おかしくなっちゃうよぉっ…///
……っあ///」





「ベク…首弱いんだ……?」








ーーーなんでだろう…



ベクの身体ってなんでどこも

こんなに甘いの……?




最初指先にキスした時も

もちろん唇も

そして今この首筋も。





全てが柔らかくて、甘い……。








「んあ…っあ///」



ビクビク震えながら
小さく声を喘げるその姿が


すごく可愛いくて……





こんなに可愛いベクを

毎晩のように抱いている
チャニョラは


贅沢すぎだよね………










ーーー首筋から下へ下へと

舌を這わせて………






「ベク……ごめんね?

もう少し…僕にちょうだい…?」




「…や……っ、レイ…っ////」






胸元に手を這わせた
その瞬間……









「〜〜〜〜!〜〜〜〜っ!!」





ーーーー遠くから
話し声が聞こえてきた。





きっと………クリスとタオだ。









僕はそっと
ベクの胸元にあった手をはなし


ベクを見た。






「レイっ…ヒョンたちが…」





「わかってるよ……もう終わり…

今日の事は…全部

秘密…ね?」








ふふっと笑いながら
ベクに言った。




………ほんとはすごく
惜しかったけど……








「ベク…甘くて美味しかった
また味見させてね?」





「っ…/////」






そう言って


まだ瞳を潤ませているベクの頬に



最後にもう一度キスをした。








ほらね………




やっぱり
口に広がるのは




柔らかくて甘い




ベクの味……






誰も知らない



僕たちだけの




…………秘密の味。







Fin.

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