小説

□Next to Me
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「チャニョリぃーっ!

起きろぉーーーっ!!」





…朝

まだベッドの中で
寝ていた俺を


俺の可愛い恋人が
身体の上に跨って起こそうとする。






「んー…まだ眠い……」




「ダメっ!
ギョンスにおこられちゃうよっ!」






「………ベクも
いっしょに寝よ〜」





「うわっ//」





ベクの腕をひっぱって
ベッドの中に引きずりこんで

ベクをぎゅーーって
抱きしめる。





「チャニョリったら!//

…だめだよっ!起きなきゃ!!」





俺に抱きしめられて動けないベクが
俺のほっぺを
ぺちぺちたたく。




「おーきーろぉ〜」




……可愛すぎるんだけど!////




俺は小さなその手を掴んで
可愛い唇にキスをした。







「……ベクおはよ♡」




「もうっ///
…ギョンスにおこられちゃ…」






「ああーーーーーーーーッッ!!!!!!
たいへんでとぅーーーーーッッッ!!!!!!

朝からイチャイチャ
してまとぅーーーーーッッ!!!!!!


……ギョンスヒョーーーン!!!!!!」







めんどくさいヤツに見つかった…。



きっとセフナに
話を盛られるにきまってるよ……。






「チャニョリ…っ

ギョンスがくる前に
ベッドから出なきゃ!」





…うん。それがせめてもの抵抗だよな。





すごく惜しかったけど
ベクから腕を放して…

ベッドから起き上がった。






……廊下から

ギョンスの足音が聞こえてきた。








ーーーーーーーーー









「もうっ!
なんで俺まで
ギョンスに怒られなきゃ
なんないのっ!?」





今日のインスタント撮影のために
楽屋でメイクを終えて


ベクがぷぅーっと怒って言った。





「まあまあ…
ベクだって
チャニョリに流されたんだし…

おあいこでしょ?」





スホヒョンが笑ってベクに言う。





「うぅ…

…でも、チャニョリが
ぎゅーーってして
離さなかったんだもん!


……こんなふうに!」






ベクが隣にいたカイに
ぎゅーっと抱きついた。




「!?ベクっ…ちょっ…

なにやってんの!!?!?」




……俺がそう叫ぶと同時に

スホヒョンが灰になっていたのは
言うまでもないけど。





カイが何かを企む笑顔で言う。



「…え〜?ヒョン、
チャニョルヒョンに朝からこんなふうに
抱きつかれたの〜?」




「うん…もっと強くだけどっ!

……ほんと困っちゃうよっ!!」




「ホントに困った人だなぁ〜

ヒョン、なら今夜は俺と寝よっか♡
チャニョルヒョンに
お仕置きしないと!」




「え?」




「オイっ…カイ!!
どーゆうつもりだよッ!!!」




「何が?」




「俺のベクに
あんなことやこんなことしよーとしてるだろ!!!」




「何言ってんのヒョン。
イヤラシいコ。」




「…ベクっ!!ダメだよ!?

カイのとこなんかで寝たら
朝生きて帰ってこれるかどうか
分からな…」




「いいよ」





ーーーーへ?




「チャニョリ最近
俺にべったりしすぎだもーん!

今夜くらいカイのとこ行くっ!
きーめた!!」






なっ…!?!?




「ベクっ…何言ってんの!?
ダメだっ!!!カイのとこなんか!!」





「大丈夫だって、ヒョン。

俺、ベクヒョンが嬉しがること
いっぱいしてあげるし♡」






「やーーーーーめーーーーーろォーーーーーッッッ!!!!!!!」










ーーーーーーー









……そんなわけで


今、俺は部屋にひとり


ベクを無理やり奪われて
取り残されている。







『チャニョリ〜
おやすみぃ〜♪』






…うわァアァァアアアアァアァアアアアッッッ………





ベクぅううううぅううううううううううッッッ!!!!!!!









もう何時間もこうやって

落ち着かないで
ベッドの上で暴れまわっている始末。




はぁ……


なんでこんなことに……







……一晩でも離れていたくないって
思うのは
俺の方だけ?



ベクはそうは思わないのかな……






今までどんなに文句言われても
恥ずかしがってるからだと
思ってたけど


……本当にイヤだったのかも…







ーー考えてたら

なんか悲しくなってきた。






ベク……………









ーーーー時計の針が0時をまわった



その時……






……ガチャ




「お届けにまいりましたァ」




………!?




カイが……ベクを連れて
やってきた。





「びっくりしたよ。

寝たと思ったら泣いてたんだもん」





「え…?」









ーーーー5分前




『……ヒック…う…』




『え?……ヒョン!?

寝たんじゃなかったの!?
…泣いてるの!?』




『ヒック…さみしいよぉ…っ』




『…さみしい?…俺、ここにいるよ?』





『ぎゅーって…ヒック…
してくれなきゃやだ…』





『……こう?』




『ヒック……やっぱり…やだぁ…』




『なにが…?』





『…チャニョリじゃなきゃやだぁ…っ』







ーーーー






「……つーわけで、

あんなストレートに言われて
帰さないほど
俺、歪んでないんで。

じゃ、
お姫様おかえししまーす」





それだけ言って

カイは部屋を出ていった。






枕を両腕で抱えたベクが

うつむいて恥ずかしそうに
扉の前に立っている。






「……カイのとこ

行きたかったんじゃなかったの?」






「ぅ…だって…//」






もう……可愛いすぎだってば。





「……こっちおいで」




そう言うと

ベクがペタペタと歩いて

ちょこんと俺のいるベッドに
腰をおろす。






「……俺がいなきゃダメだった?」




「…うん…//」




「俺がぎゅってしなきゃダメなんだ?」





「……うん…///」





ベクの髪に触れる。


ベクが恥ずかしそうに俺を見つめる。






「チャニョリ…ごめんね……

わがままばっかり……


やっぱり俺…
チャニョリと一晩でも
離れたくないの……

チャニョリが
横にいてくれなきゃヤなのっ…」






……マジで嬉しい……////



ベクもやっぱり……
俺と同じ気持ちなんだ



一晩でも離れていたくないって………






さっきの不安はどこへやら。


俺は幸せでいっぱいだった。






「ねぇ…」




……ベクが俺に寄りかかって言う。





「チャニョリ…

ぎゅってして………?」








もう……


……どんだけ
可愛いんだよォオオッッッ…///////






そんな可愛いことされたら…


今すぐに
抱きしめたいのが本音だけど……







「その前にまず…しなきゃいけないこと
あるだろ…?」




「え…?」







「……ただいまのキスは……?」





「…////」






……ベクが…

ゆっくりと俺の顔に自分の顔を寄せて



……可愛いくキスをする。








「………おかえり」




そう言って

ぎゅっとベクを抱きしめた。





「…チャニョリ…///」





こんなに可愛いベク

やっぱり他の誰にも渡せない。







「…ベク、俺のこと好き?」




「……うん///」




「どれくらい?」




「え……すっごく…かな////」




「そんなんじゃわかんないよ〜」





「…っ…このくらいっ////」




ベクが俺をぎゅーーっと
抱きしめる。





「俺もっ!これくらい!♡」





俺もベクを
ぎゅっと抱きしめる。



そしてそのまま…


ベッドに倒れ込んだ。







ベクの綺麗な手が

俺の頬に触れる。






「チャニョリ…大好き……」





「俺も……」






横になったまま

再び


……甘く唇を重ねた。











……結局、今夜も

ふたり寄り添って眠った。




いつもの様に
ベクの仔犬みたいな寝言が聴こえて…

いつもの様に
ベクの香りがした。






当たり前だと思ってたこの感覚が
どれだけ俺を安心させているか…



ベクが俺にとって
どれだけ大切なのか…






……俺の腕の中で
可愛い寝言をたてるベクの髪に

優しくキスをした。







「ベク…ずっと…

俺だけの隣にいて……?」













Fin.

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