小説
□MY NAME
1ページ/1ページ
こんな日差しの暖かい休日には…
他のメンバーのように
外出するのもいいけど
僕たちはこうして
誰もいないリビングで
ソファーに座って
ゆっくりお茶するのが
一番の安らぎの時間。
「…ねぇジョンデ
今日のお茶、何か違わない?」
「…ん?」
温かい紅茶の入ったカップを両手に
僕は
笑顔で
ジョンデの顔を覗き込む。
「…、//」
あまりに近く
顔を覗き込んだから
ジョンデの顔が少し紅くなる。
「お茶の葉をね、変えてみたの」
「そーなんだ…//」
ジョンデは
こうした
僕の不意打ちとも言える
ちょっとしたことで
すぐ…頬をほんのり紅くする。
それがすごく可愛いんだ。
「…ねぇ………呼んで?」
「え?」
「名前…呼んで?」
ーーーそう……
ジョンデは
僕のことを普段
"レイヒョン"と呼ぶ。
メンバーの前ではもちろん、
2人きりの時でさえ
僕が呼んでほしいと言わない限り
自分から"イーシン"とは
呼んでくれない。
正直、
少し寂しい気もするけど…
でも
僕がこうやって
ひとこと言えば…
「…イー…シン…//」
ーー少し恥ずかしそうに呼ぶ
ジョンデが
たまらなく愛しくて……。
「うん…//
ジョンデ!!すきっ♡!!!」
「うわっ///」
僕はソファーの上で
ジョンデに抱きついた。
「別にいいんだ!♡
ジョンデがそうやって
僕の前だけでも呼んでくれたら!」
「………、//」
「…ジョンデ、
………キスしていい?」
「…今!?///
…こ…紅茶…冷めちゃ…」
「…後で淹れ直すよ」
「っ…、//」
綺麗な形の唇に
僕の唇を重ねる。
…口の中で
紅茶の香りと
キスの甘さが
ふんわりと広がる。
抱きしめれば抱きしめるほど
キスを重ねれば重ねるほど
名前を呼ばれれば呼ばれるほど…
ジョンデのことを
ますます好きになる。
……愛しいと感じる。
「ねぇ…もうちょっといい…?」
「!?ダメだって…!////
みんなもう帰って来るよ…!?」
そんな
可愛い顔するからいけないの。
「大丈夫だよ…
……ね…?」
「待って…っ、あ//」
『ただいまぁ〜っ!!!!』
ーーー部屋の扉の奥から
みんなの帰ってきた声がした。
「ほらっ…帰って来たよっ!///」
ジョンデは
頬を紅くしたまま佇まいを
慌ててただして
部屋に入ってきた
メンバーたちに
「お…おかえりーっ//」
と、
不自然に声をかけた。
その一方…僕はもちろん
もうちょっとだったのにぃッ!
と、
ぷぅーっと
ふくれっ面なんだけど。
「レイヒョンどーしたの?」
「ジョンデとケンカしたの?」
…違うけど、
違うと言えば
余計なこと言及されそうだから
言わないでおこう。
「…ハイハイ!
夜ご飯の準備するから!
手伝える人は手伝ってよ!?」
ギョンスがいつものように
みんなに声をかける。
「「「はーい」」」
みんながそれぞれ
動きだして
僕はそんな中
まだ頬を膨らませたままで。
ーーーすると…
そんな僕に
ジョンデが耳元で
みんなに聴こえないほどの
小さな声で…
「……続き…夜ならいいから……//
…………イーシン…///」
ーーー……反則。
……突然のことにびっくりして…
何より
小さな声だったけど
メンバーの前で
しかも自分から
イーシンと、呼んでくれたことが…
最高に嬉しかったんだ。
……僕は
耳と頬を紅くして去って行く
ジョンデの背中に
…思いっきり抱きついた。
「ジョンデだーいすきっ♡!」
「!?ちょっ…////」
「あれー?
ふたり
ケンカしたんじゃなかったの〜?」
ーーー僕の前だけでいい、だなんて
やっぱり嘘だよね。
…そりゃ
僕の前だけで見せていい
可愛い顔とか姿は
もちろんたくさんあるけどっ!
……やっぱり
いつだって
どこでだって
愛する人に
僕の名前を
呼んでほしいから。
……"イーシン"って
可愛い君だけに
…呼んでほしいから。
Fin.