からふるでいず
□ぺてん
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「におちゃん、におちゃん」
「ん?」
こいつ、白神悠は俺をにおちゃんと呼ぶ。
丸井や柳生、その他はみんな苗字呼びの君付けでしか呼ばない。
つまりは俺だけが特別扱い。
俺はそれが大好きだ。
でも俺はこいつの彼氏じゃない。
あ「んー、におちゃんはさ、彼女っている?」
仁「おらん。でも、好きなやつならおる」
そういうと悠は眉を下げた。
それが可愛いくて、少し意地悪。
仁「そいつはの、ちっちゃくて可愛い、笑顔がよぉ似合ってて、泣き顔も笑顔も怒った顔も…全部、好きなんじゃ。全部を俺のものにしたくなる」
あ「…ふーん。そっか」
仁「そうそう、拗ねた顔も可愛いんじゃ」
あ「もーいいよ。におちゃんなんか嫌いだもん…バカ」
仁「嫌いは傷つくのぉ。俺は好きしか聞かんぜよ?悠」
あ「やだ。におちゃん、好きな人いるんでs(仁「悠」
俺は悠の唇にそっと指をあてた。
不思議そうに俺を見つめた。
仁「まったく、困ったお姫様じゃ。俺は悠お前さんが好きなんじゃ」
あ「私?」
仁「嘘じゃなか。本気で悠を愛しとうよ」
あ「ぺてん、じゃないの?」
疑り深いの…。
仁「悠、目、閉じんしゃい」
あ「?」
((chu
仁「ぺてんじゃなかよ」
あ「にへへ、知ってる。わざと」
子どものように悪戯な笑みを浮かべ、俺の耳もとで囁いた。
(世界一におちゃんが好き)
まったく、俺より詐欺師じゃの。
【ぺてん】