からふるでいず

□君に会いたい
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今日初めて、大切な人を失った。






「周助っ」



「おはよう!」



「あ!それ私の卵焼きなんだけど!」




「わぁ、周助あったかいね」




「今日も一緒に帰ろうっ」




「もーっ写真ばっかりじゃなくて私も構ってよね?」



「周助の髪ってさらさらだね」






くだらない会話が、頭の中に浮かんでは消えていく。



君が死んだらダメじゃないか。



悲しむ人がたくさんいるだろ?




愛されてるんだね?



ほら、手塚まで泣いてるよ。




君は、君がいないと、






僕の持つ写真に一粒の涙が零れた。




君と撮った最期の写真。



全国優勝したときのだ。






今の君には、どんなに手を伸ばしても届かないんだね。





僕の手は空を切るだけ。






横にいるはずの君がいない。




こんなに近くに感じるのに。





たったそれだけのことで、僕は僕じゃなくなってしまう。




君に会いたい。





会って抱きしめたい。





出来ない事だとわかっていても、それを願ってしまう。







「君には、いつ会えるのかな?」





悠、約束したよね。






ずっと一緒にいようって。







守れなくてごめん。





「ずるいよ」







僕には君が視えないけど、君にはきっと僕が見えているんだろうな。



ずるい…。




もう一度、君の笑顔が見たかったな。









【君に会いたい】

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