からふるでいず
□愛情表現
1ページ/1ページ
よく晴れた空を見上げて俺は、ため息をついた。
「なんじゃ、柄にも無くため息ついて」
今は昼休み。
今日は珍しく仁王とお昼を食べていた。
「俺だってため息ぐらいつくよ」
「で、理由は何じゃ?」
「悠のことさ」
俺がそう言ったら、「なるほどな」みたいな呆れた目をされた。
白神悠は俺の彼女。
付き合い始めて、約半年。
俺が入院してからもずっと側で支えてくれた。
大切な大切な、人。
「幸村は悠に対しては超過保護じゃからのう」
「普通じゃないかな?だって好きな人が他の男と話してたら嫌でしょ?」
俺の言葉に再びため息をつく仁王。
「だからって、お前さんはやりすぎじゃ;」
そう。
俺は今日、他の男と話している悠と喧嘩したのだ。
彼女が言うには、委員会の打ち合わせだったらしいけど。
そんなの関係ないし^^←
「そんなんじゃ悠は許してはくれんじゃろ」
「嫌なものは嫌だろ?」
「悠も苦労するのぉ」
仁王に言われた言葉にむっとした。
俺は、悠が好きなんだけどな。
「ま、人の愛情表現は自由だからのぉ。これ以上嫌われんようにしんしゃい」
仁王はそれだけ言って自分の教室に戻っていった。
嫌われないように…かぁ。
俺の愛情表現は間違っているのかな?
ねぇ、悠?
【愛情表現】