からふるでいず

□不器用
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「おっはよーv((抱き」







「白神先輩うるさいっすわ…飛びつかんといてください」





「つめたいわぁ。朝は挨拶せなあかんやろ?ほら、言うてみ」








白神先輩は笑顔で言った。
 






なんでいつも笑顔なんやろ?阿呆ちゃうか?







「嫌ッスわ…んじゃ」








「あっ!こら、財前」








そう俺を呼ぶ先輩を背に俺は教室に向かった。



またやってしもうた…挨拶ぐらいできるやろ。



白神先輩は男子テニス部のマネージャー。
 




白石部長らが同じクラスとか何とか…って自慢しとった。




裏表がなくて、いつもニコニコしとるんや。







・・・・・・・・部活・・・・・・・・






「みんなー頑張ってね!」







いつもの笑顔で応援している白神先輩。
 




先輩が皆を応援するんは当然やと思う。

それも仕事や。








けど…何やろ?









胸が痛い…。






俺以外応援してほしくない。






俺だけを見ててほしい。







そんな心のモヤモヤのせいか…







「財前!ちゃんと水分補給せなあかんよ?はいっ」

 




気づくと白神先輩が目の前に立っていて、笑顔でドリンクを差出していた。








俺は無言で受け取る。








「無理せんといてよ?大会近いんやし」







「先輩には関係ないッス…愛想笑いせんといてください」






ちゃう…こんなことが言いたいんとちゃう。


なんで、素直になれないんや!






「っごめん…」






先輩はそれだけ言って走り去ってしまった。






俺、最低やん。











数分後、誰かが俺の名前を呼びながら走ってきた。






「ざーいぜーん!」



「何スk「お前白神に何言うたんや!?」…はぁ?」





白石部長が珍しく真剣な顔つきで、問い詰めてきた。






「何にも・・・言ってないっス」






嘘や。それは白石部長にもわかってたみたいで。





「嘘付け!白神、泣きながら言ってたで。『財前に嫌われちゃった…どうすればええの?』ってな」







「・・・」








「好きなんやろ?白神のこと」







「…!!」






そう言われて、俺は走り出した。




白神先輩を探すために…。



そして、








気持ちを言うために。











「…!おった…」








見つけた。









俺の心臓が、音をたて始めた。

 


「先輩、見つけた」
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