からふるでいず
□データ
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とある休日の午後。
俺は自分の部屋で固まっていた。
正確に言えば、俺の横で眠っている1人の人物を凝視していた。
「無防備な奴だ・・・」
俺の隣で眠る人物。
それは、俺の彼女である白神悠。
彼女と言っても、デートなんか行ってない。
大体は家で過ごしている。
今日もそれは同様で、俺が弦一郎とメールをしている間に寝てしまったらしい。
「フッ…お前の寝顔はいつ見ても飽きないな」
俺は隣で眠る悠を見て微笑む。
しかし、今日の寝顔はいつもと違う。
本当になんとなくだが・・・。
「…んー」
「起きたようだな、悠」
「ん。おはよ・・・ひゃっ!?」
俺は、おきたばかりの彼女を抱き寄せた。
驚いた様子の悠は黙ったまま。
「・・・すまない」
「え?」
きょとんとした様子の悠。
「寂しかったのだろう?その気持ちに気づくことができなかった」
「…ありがとう」
彼女はいつものように微笑んだ。
俺の目を見てクスッと笑う悠。
「大好き…」
そう呟いた彼女は心底嬉しそうな顔だった。
「フッ…やはりお前には敵わない。俺のデータじゃ悠の全てを知ることはできなさそうだ…99%な」
「あと1%は?」
「俺のプライド…とでも言っておこう」
俺はもう一度悠を引き寄せる。
「なにをしてほしい?」
「そばにいてくれたらそれでいい…かな?」
俺はその回答に頷く。そして悠の頬に一瞬だけキスを落とす。
「お前はおもしろい…ずっと側にいよう」
お前のデータが集まるまで…。
そして集まってからも…。
【データ】