からふるでいず
□ラストチャンス
4ページ/8ページ
「幸村、部長?」
「久しぶり、赤也」
「なんで、ここにいるんっすか?」
俺が聞くと、幸村部長は優しく微笑んで言った。
「赤也に会いに来たんだ…部長としてね」
「部長、として?」
「赤也には伝えたいこと、沢山あったから」
・*・*・*・*・*・*・*・
幸村部長は49日ってやつらしい。
つまりは幸村部長は幽霊。
だから、この世の最期、俺に会いに来たらしい。
「誰も俺のことは見えてないから、少し、寂しいな」
「みんな、悲しいって言ってたっすよ」
「そうだね、悪いことしちゃったかな…」
「で、俺に言いたいことってなんすか?」
「あぁ、次期部長への最期のメッセージ、ってとこかな」
「最期…」
「ひとつ目、部室の俺のロッカーにね、レギュラー部員全員への手紙が入ってるから、渡して欲しい」
「うぃっす」
「ふたつ目、真田と柳のいう事にちゃんと従う事」
「…っす」
「三つ目、…絶対に高校では三連覇すること。負けたら、許さない」
「あたりまえじゃ、ないっすか…」
「四つ目、これは…赤也、俺と試合しようか」
「…はいっ!」
幸村部長との試合がはじまった。
幸村部長に勝つラストチャンス。