からふるでいず
□ラストチャンス
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幸村部長が死んでから、49日。
俺は幸村部長が最期に遺した言葉を思い出していた。
何ていったんすか…。
そう聞いても、答えは返ってこない。
今日は部活も無くて、特にすることもなかった俺は、ストテニのコートに来た。
何をするわけでも無く、ただテニスコートを眺める。
あの頃なら、幸村部長に試合挑んでさ、楽しく笑ってたんだろうな…。
「赤也」
突然後ろから名前を呼ばれた。
忘れるはずがない、あのひとの。
あり得ない。
何でここに…。
振り向いた俺の目の前には、
ー幸村部長が立っていた。
「何で…」
「久しぶり、赤也」