TRPGシナリオ
□鷹の夢
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世界観
時代は近未来日本。
「国立探偵社」と呼ばれる、国家で秘密裏に作られた国を守る組織があった。
戦力、情報力、ありとあらゆるエキスパートを集めたエリート集団で彼らの右に出るものはいない。国では数年前にそうしたエリートを育てるための施設（通称：アカデミー）を建設し、子供に教育を施して優秀な人材を作り上げていたのだった。警察とはまったく異なった組織で、国内の犯罪組織の撲滅を目的とする戦力重視の武装集団である。
一方で、国内犯罪は悪化の一途を辿り、ある人物を中心とした犯罪組織が拡大しつつあった。平和であった国内では毎日のようにテロが発生し、警察だけでは手に負えない状況にある。
■鷹の夢■
鷹は静かに願っていた。
この血塗れた手でも、抱けるものがないのかと。
たとえそれがどれだけ愚かな願いであろうとも…
参加人数：２〜４人
難易度：
推奨技能：戦闘技能・回避・応急手当
推奨職業：警察官・自衛官・探偵
【シナリオ概要】
探索者たちは類まれなる才能を評価されて「国立探偵社」へ配属される。アカデミー出身の社員たちと犯罪組織のリーダーとの間には大きな確執があった。リーダー：丹羽慎二もアカデミー出身者であり、事の発端はそこにあった。
古鷹の過去と丹羽との因縁には国家の動きが影響しており、真実は古鷹の祖父が握っていた。
古鷹は国の邪魔者を排除するために使われており、丹羽はアカデミーの被害者であった。
古鷹は１６歳の時に、己の手で家族を殺害していたが、組織によって記憶を抹消されていた。
その際に生き残った、双子を丹羽の相棒である如月慎二が引き取り、復讐鬼へと育てていった。探索者たちは真実を知り、社員たちと共に捜査を進めるが、双子によって引き起こされた事件に巻き込まれてしまう。如月の裏切りにより、被害は拡大し一般人も大勢巻き込む大事件となっていく。記憶を取り戻し、絶望する古鷹。彼は大切な家族の記憶を思い出しながら揺れていた。探索者たちは社員として事件解決のために戦うのか。それとも、古鷹の願いを叶えるのか。
NPC
〜国立探偵社〜
●古鷹 司（ふるたか つかさ）
２０歳 男性
SIZ:13 APP:16 STR:16
CON:13 DEX:17 INT:17
POW:11 EDU:15 SAN:30
アイデア：85
幸運：55
知識：75 回避：30
HP:15 MP:11 DB:+1D4
【技能】
追跡：40 拳銃:58 武道（柔道）:50
こぶし：50
キック：38
マーシャルアーツ：39
武器：シグ・ザウエルP230JP
1D10 射程20m 装弾数9 耐久力8
国立探偵社の社員。アカデミー出身で戦闘能力が高い。
１６歳の時に家族を殺害しているが、記憶を抹消されている。
実の弟妹である双子が起こした事件をきっかけに記憶を取り戻すが錯乱状態に陥ってしまう。
心のどこかで家族の温もりを願っている。
●九条 美月（くじょう みつき）
２０歳 女性
SIZ:9 APP:15 STR:8
CON:10 DEX:14 INT:17
POW:10 EDU:15 SAN:34
アイデア：85
幸運：50
知識:75 回避:28
HP:10 MP:10 DB:-1D6
【技能】
心理学:43 応急手当:50 拳銃:45
武器:シグ・ザウエルP230JP
1D10 射程20m 装弾数9 耐久力8
国立探偵社の社員でアカデミー出身者。
古鷹と反塚の幼馴染。
幼少期に丹羽に家族を皆殺しにされている。
それ以来丹羽に対して復讐の念を抱いている。
●反塚 怜思（そりづか れいし）
２０歳 男性
SIZ:12 APP:14 STR:15
CON:12 DEX:16 INT:17
POW:15 EDU:15 SAN:60
アイデア:85
幸運:75
知識:75 回避:32
HP:12 MP:15 DB:+1D4
【技能】
コンピューター:41 変装:36 拳銃:51
武器：シグ・ザウエルP230JP
1D10 射程20m 装弾数9 耐久力8
国立探偵社の諜報部員でアカデミー出身者。
古鷹と九条の幼馴染。
幼少期に丹羽に家族を皆殺しにされている。
古鷹の過去を知っており、あの事件の真相を探っている。
●名塚 秀輔（なづか しゅうすけ）
３１歳 男性
SIZ:12 APP:12
国立探偵社の社長。涼輔の弟で警察にも顔が利く。
●高岡 優作（たかおか ゆうさく）
３１歳 男性
SIZ:14 APP:15
国立探偵社の社員で社長補佐。柃の弟。
物腰の柔らかい探偵社の良心。
〜協力者〜
●名塚 涼輔（なづか りょうすけ）
３７歳 男性
SIZ:13 APP:13
警察に勤務している探偵社の責任者。
古鷹の過去や探偵社設立の経緯を知っている。
古鷹の記憶を消した張本人。
●高岡 柃（たかおか れい）
３４歳 女性
SIZ:11 APP:15
警察に勤務している探偵社の協力者。
涼輔の同僚。
〜犯罪組織の人間〜
●丹羽 慎二（にわ しんじ）
２６歳 男性
SIZ:12 APP:12 STR:16
CON:15 DEX:17 INT:15
POW:14 EDU:13 SAN:25
アイデア:75
幸運:70
知識:65 回避:34
HP:14 MP:14 DB:+1D4
【技能】
変装:51 隠れる:48 鍵開け:41
拳銃:58
ナイフ：55
武器:リベレーター
1D8 射程:5m 1Rの攻撃回数1/2 装弾数:1
耐久力:3
コンバットナイフ
2D6
世間を騒がせる犯罪組織のリーダー。
九条と反塚の家族を殺した張本人。
アカデミー出身者で国家に対して強い憎しみを持つサイコキラー。
双子を大切にしている。
●如月 竜司（きさらぎ りゅうじ）
３０歳 男性
SIZ:14 APP:18 STR:17
CON:16 DEX:16 INT:16
POW:16 EDU:16 SAN:50
アイデア:80
幸運:80
知識:80 回避:32
HP:15 MP:16 DB:+1D4
【技能】
医学:45 図書館:65 変装:41
ショットガン:35
キック：45
マーシャルアーツ：47
武器:ライフルスラッグ弾（１２ゲージ）
2D6+6 射程:50m
犯罪組織の一員で丹羽の相棒。
古鷹の事件で双子を拾って養った。
双子を古鷹に復讐するように仕向け、丹羽に大事件を起こさせていたのも全て彼である。
楽しむことが一番の行動原理で裏切りが好き。
双子と丹羽を殺害し、探偵社を潰そうと企んでいる。
●工藤 由果（くどう ゆか）
１８歳 女性
SIZ:9 APP:14 STR:6
CON:12 DEX:12 INT:14
POW:10 EDU:9 SAN:29
アイデア:70
幸運:50
知識:45 回避:24
HP:11 MP:10 DB:-1D4
【技能】
拳銃：28 組み付き:35
武器：リベレーター
1D8 射程:5m 1Rの攻撃回数1/2 装弾数:1
耐久力:3
古鷹の妹。大好きな古鷹を憎み復讐しようとしている。
命の恩人でもある如月に懐いているが、裏切られたことで完全に気が狂ってしまう。
右腕に大きな火傷の痕がある。
●工藤 由利（くどう ゆり）
１８歳 男性
SIZ:11 APP:14 STR:15
CON:14 DEX:15 INT:12
POW:10 EDU:9 SAN:25
アイデア:60
幸運:50
知識:45 回避:30
HP:13 MP:10 DB:+1D4
【技能】
隠れる:47 拳銃:38
こぶし：50
キック：48
マーシャルアーツ：31
武器：リベレーター
1D8 射程:5m 1Rの攻撃回数1/2 装弾数:1
耐久力:3
古鷹の弟。由果を守ることを生きがいとしている。丹羽によく懐いていたが、彼の影響で残虐な本性を露にしてしまう。
通り魔の正体。
背中に大きな火傷の痕がある。
１.導入
都市部では今日も犯罪組織によるテロ活動が続いていた。鎮圧するために出動し続ける警察。それを補佐するための国立探偵社も人員不足に陥っていた。政府は急遽探索者たちの才能を見込んで、探偵社への派遣要請を送って来た。
●国立探偵社 とは●
一般に情報は開示されていない秘密組織。
国家公務員と同じ扱いである。
給料はとても良い。
2.探偵社
探索者一行が事務所がある場所へ向かうと、そこには無機質な、いかにも平凡な２階建てのビルが建っていた。１階は車庫となっており、２階の窓はブラインドカーテンで閉められ蛍光灯の灯りが漏れている。窓には何も書かれていないため、探偵社というのはわからない。
探偵社のインターフォンを押すと、銀髪の女性が出迎えてくれた。スーツを纏っている姿から、探偵社の社員であることが推測される。
彼女は応接間へ案内すると、ソファーに腰を下ろすように促した。一礼すると、部屋を出て行った。
部屋は全て質の良いもので揃えられているが、部屋の掃除が隅々まで行き届いていないところから来客が少ないことが想像できた。
探索者たちが待っていると、男が部屋へと入ってきた。
「やぁ、待たせてしまってすまないね」
男は苦笑いを浮かべると、向かいのソファーに腰を下ろした。
「僕は名塚秀輔。三十路を過ぎたばかりだけど社長をやっているんだ。頼りないかもしれないがよろしく頼むよ」
名塚は一通り挨拶を済ませると、契約書の手続きを手早く済ませた。
「ある程度状況が落ち着いたら、君たちは元の職場に戻ってもらうよ。ここは一番危ない職場だからね。訓練を受けていない人間がこの職を続けるのも僕は正直反対なんだけど」
秀輔は立ち上がると、部屋を出て行こうとするが、その前に立ち止まって、詳しい業務内容は全て古鷹司と九条美月が教えてくれると言い残し去っていった。
KP情報
古鷹司とは本作のメインNPC。
アカデミー出身者で仕事はとても出来る。
しかし、過去が重たいため表情はやや暗く、感情も希薄である。
九条美月とは、探偵社たちを出迎えた銀髪の女性である。彼女もアカデミー出身者で、古鷹と幼馴染。基本仕事場にいる。