第1幕

□黒ノ魔術師 2章
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建宮さんから逃げた後、私は学園都市付近へと移動した。

学園都市へは超侵入したいが、さすがの私でもバッサリ否定されたから諦めた。




情報源には全くアテがなかったので、私はとある魔術を実行してみることにした。

とある魔術とは、その土地の6ヵ月分の記憶を読み取る魔術。
私にも超手軽にできる&消費する物が少ないかわりに、半径500mしか効かないというクセがあるものの、十分だろうという結論に達した。



だが私の読みは甘かった。




学園都市付近、という情報しかないのだ。学園都市付近といっても、めちゃくちゃ広い。
1km進んでは魔術、1km進んでは魔術を繰り返していたら、いくら物の消費量が少ないからといえどすぐに消えていくし、
第一、莫大な時間がかかる。



「うだーーーッ」
地べたに寝ころんで叫びたくなる野生の本能(?)を押し殺して立ったまま青空に向かって叫ぶ。

自分的には「まだ世間的には大丈夫な方じゃね?」と思って叫んだのだが、道行く人には相当気味が悪かったようで、犬を連れた若い女性に「ひぃっ」と小さく言われダッシュされた時には泣くかと思った。

「アッステッカの魔っ術っ師さ〜ん、でってらっしゃ〜い」
なんて小声で言ってみた自分にドン引きしてみたり。

やばい、これは相当キてる。
真面目にやらねば………ッ!
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