BLEACH
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二年前、僕には愛しい子がおった
その子は几帳面で、仕事ができて、強かったんや
僕はその子、『琉亜』の誕生日に懐中時計をあげた。
『あ、ありがとうございます』
「ええんや、琉亜の時計は壊れたんやろ?」
『はい…知ってたんですか?』
「当たり前やん、君の事いつも見とるからな」
頬を染めて喜ぶ君が可愛くて
これからもずっと、君の誕生日を祝うつもりやった
やのに………――――
ある昼下がり、
僕はいつもどうり屋根の上で干し柿を食べながら
琉亜の事を考えていた
そしたら、
「市丸隊長!!大変です!畝実さんが!」
屋根の下からイヅルの叫び声が聞こえた
一瞬、心臓がキュウっとなったけど
この前もこれで騙された事を思い出し、軽く返事をした
「イヅル〜、嘘はアカンに〜」
「嘘じゃないんです!!」
「・・・・」
いつもとは違うイヅルに、
さっきまでの不安が押し寄せた。
「琉亜は?…」
「四番隊に・・・」
「行ってくるわ」
四番隊につくまで、何人かの隊士に挨拶されたけど
僕の頭の中は琉亜ばっかりで誰の言葉も耳に入らんかった
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