BLEACH

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溢れるほどの愛を君に











『市丸隊長』


「どうしたん?」


僕の彼女の琉亜ちゃんが書類を持って隊主室に入ってくる
僕の座っている机まで来ると、ぎょうさん書類を並べた

琉亜ちゃんは、デスクワークと剣術が得意、
あっ、縛道なんかも上手や
とにかく苦手なもんなんか無くて護廷十三隊の中で一番の三席なんや



『・・・市丸隊長、聞いていますか?』

「あ、…うん、聞いとるよ」

『そうですか・・・それでここなんですが…―――』



僕は君が話している姿に夢中になって
悪いけど、話の内容なんてこれっぽっちも分からんかった


『・・・・・私の目じゃなく書類を見てくださいね?』


「両方見とるよ」

『はい、…で、明日の朝の隊主会は…―――』


今僕恥ずかしい事言ったのに・・・

少々すねた顔しとったら
ポカンと口を開けて

『…ふふっ、今日は一緒に帰れますよ』


ニッコリと笑う君に僕は撃沈…

よしよしと頭を撫でてくれる君の手は心地よかった

照れ隠しに「子供扱いせんといて」って言うけど
君には分かってしまうみたいで

『すいません、つい…可愛かったから』


いまだに琉亜ちゃんはクスクス笑って僕を撫でる

「も〜、琉亜ちゃん嫌や」


真っ赤なのを知られないようにそっぽを向いた


そしたら、目の端に
しょんぼりした顔で僕を見上げる琉亜ちゃんの顔が目にはいった


『ごめんなさい…怒っちゃいましたか?』


あ、あかん
我慢できんくなる・・・かわええ…


「琉亜ちゃん・・・」

『は、はい』

僕が目を開けてしゃべると急にピシッとなった

「反省・・・しとるやんな?」


『は・・・はい…クスッ・・・あ、』

しまった、と口元を隠すと
失礼しましたといい、出て行こうとする

でも、隊長と三席、
もちろんかなう訳けないやん


シュ…―――


『う、わっ!』

「僕まだ下がってええよ、なんて言ってへんで?」


瞬歩で近づき後ろから抱きしめると
君はすっぽりと僕の胸に埋まった
僕は君の首元に顔を埋める


『・・・怒ってます・・よね』

「うん、」

『ごめんなさい』

「いや」

『ごめんなさい…・・・ギン』

「・・・・い、いや」


危なかった、ええよって言いそうになったわ

しばらく沈黙が続き、
僕は君の方が震えとんのが分かった

笑っとる・・・


「笑っとるやろ?」

『いいえ?』


ギュッと抱きしめる力を強めた


『わ、笑ってませんよ』

「ほんと?」


君の顔を覗きこむとニコニコしとった

『ほら、わらってません』

「笑っとる」

こんな会話を何回もしとったら
琉亜ちゃんが折れた


『…私がわるかったです』

「ほら、笑っとるやん」

『だって・・・』

「だって何?」

何を言うんかなとおもっとったら



『愛おしかったから』




・・・・はぁ、もう
顔が熱くて爆発しそうなんやけど



「琉亜ちゃん、覚えとき?」


『へ?・・・何がですか』






――今度は僕が君を愛したるから――




耳元でつぶやいたら君はまっかになった















(あげるつもりが貰ってばっかや…)


(今度は僕から)





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