星の道標

□覚悟はできたか
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彼らと出会って数日が立った



「優里ちーん」



赤司くんとさつきが不在中の放課後の部活

いつものように敦くんに背後から抱きつかれる

まだ暑いので最初は抱きつかれることに抵抗していたが日を重ねる毎に免疫が付いてしまった

出会った時は「紫原くん」と呼んでいたのだが



「黒ちんと黄瀬ちんばっかりずるい、優里ちんなんで俺のことは名前で呼んでくんねーの」



と言われたので「敦くん」と呼ぶようになったのだ



「紫原、練習中は真面目にやるのだよ」

「緑ちんまじめすぎー」

「お前が不真面目なだけだ、それに赤司にばれたら3倍メニューになってしまうのが落ちなのだよ」

「うえー、それもやだー」



私から離れ練習に戻っていった

敦くんが嫌がるのも無理はない

一度3倍メニューを見たことがあったが言葉で表すことができないほど辛そうだった

テツヤくんは死にそうになっていたし…なんて考えていた

敦くんが練習に戻って少し経った後、赤司くんが部活にやって来た



「星那、桃井はまだ来てないのか」

「うん、まだ来てないよ」

「そうか…」



少し苦い顔をして赤司くんは何かを考え始めた

それが気になった優里愛は、少し野暮だが赤司くんにさつきが何処にいるか聞いてみることにした



「赤司くん、さつき何処に行ったの?」

「桃井は青峰の所に行ってるはずだ」

「…青峰?」



青峰…ということは青峰大輝かな…

青峰なんて珍しい苗字はそうそう2人もいるはずがない

キセキの世代で私が唯一会ったことがない人物だ

涼太くんから話を聞くと一度も練習に出てきていないそうなのだが



「青峰っちはすごく強いんス!!」



彼からは大絶賛

しかも、涼太くんは青峰大輝の影響でバスケ部に入ったと言っていた

練習に来てないのは単なるサボりらしいけど…






「青峰大輝、アイツはうちのエースだ」



突然赤司くんからそう告げられた

わぁお!…おっと、驚いてつい恭弥の口癖が

てっきり赤司くんがエースだと今の今まで思ってたよ

「エース」という言葉が赤司くんの口から出てくるなんて考えてもみなかったし…

しかも、練習に出てないのにエースなのか

でも、キセキの世代でもあり、1軍の部員でもあり、赤司くんが認める「エース」

かなりの選手であることが分かった

もしかしたら、彼が一番マフィアに狙われるのではないか…そんなことが頭をよぎる



「悪いが星那、桃井と青峰を迎えに行ってくれるか」

「うん、任せて!」



都合よく青峰大輝と会うことができるなんてついてる

緑間くんからラッキーアイテムをもらったおかげかな

赤司から場所を聞き、優里愛は体育館を出てひたすら階段を駆け上がった




――――――――――――――――――



「やっぱりこの学校広すぎる…」

「階段つらいよー」




―――覚悟はできたか―――






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