星の道標

□犬の放し飼いもほどほどに
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放課後、緑間くんとともに体育館へ行くとお昼ぶりである彼に姿を体育館の
入り口で見つけた



「おーい、赤司くん!!」と言って手を振ると彼は私たちに気付く

「来たか」




合流した、優里愛たちは体育館へ入る

そして、赤司くんが1軍のメンバーと思われる人たちを集合させた

ぞろぞろと集まる部員たちに度肝をぬかれる

大体180、190cmくらいの背丈の部員が優里愛を一斉に見てくる




(で、で、でかい…)




さすがバスケ部といってもいい

テレビで見たバスケの選手はほとんど高身長であったし…

しかし緑間くんも含め、やっぱりテレビで見るのとはわけが違い思わず怯んでしまう





「今日から1軍のマネージャーになる星那だ」





私は自己紹介をして、その後赤司くんが部員たちを解散させ各々の練習に入っていった



「優里愛さん、バスケ部のマネージャーになったんですね」




黒子くんには悪いがこれは必然なんだ…なんか申し訳なくなる

それに、知っていたけど知らないふりをしなければいけない




「テツヤくん偶然だね!テツヤくんもバスケ部だったんだ!!」

「テツヤ、星那と知り合いだったのか」





優里愛と黒子が知り合いだったことに緑間と赤司は驚いていた




「はい」

「私が廊下で迷っていたとこを黒子くんに助けてもらったの」


本当にあの時は助かったといっていい

転校初日にまさか迷うなんて思ってもみなかったけど




「そうなのか」

「うん、ほんとありがとうテツヤくん」

「いえ」




すると、体育寒の入口から何やら声が聞こえた




「くーろーこっちぃーーー!!」




……誰?




「緑間くん、誰?」

「あいつは黄「黒子っちおいていくなんて酷いじゃないっスか!」




緑間君の声が遮られた




「えっと、緑間くん…」

「すみません、女子に囲まれていたので先に行きました。あと声をかけるのが面倒だったので」



「ひどいっス…」と言ってうなだれる




女子に囲まれるということはモテるんだなー、きれいな顔立ちだし

私の身近には多いな、見た目はイケメンな人

中身は残念だけど…

まぁ、私には興味ないことだけどと思っていると、黄色の彼と目が合った





「赤司っち、この子誰っスか?」

「今日から1軍のマネージャーになる星那だ」

「星那優里愛です」

「そうなんスか!俺は黄瀬涼太っス、よろしくね優里愛ちゃん」





彼がキセキの世代の黄瀬涼太か

赤司くんの一件で色々と慣れてしまい、驚くことはなかった

むしろ落ち着いて観察できるくらいに

…慣れって怖い

それにしてもいきなり下の名前で呼ぶなんて、馴れ馴れしいかもなんて考えつつ





「ちなみに黄瀬はモデルをやっている」



と付け加えた



「モデル!?そっか、通りできれいな顔立ちしているわけだね!」

「―――っ!あ、そうなんスよね」




ばつが悪そうだな、黄瀬涼太は知られたくなかったのだろう




「…でも、私は黄瀬くんのことよくわからないから、モデルの黄瀬くんじゃなくてバスケ部の黄瀬涼太として私と接してくれると嬉しいな!モデルやってること聞かれたくなかったのかもしれないけど、黄瀬くんは黄瀬くんでしょ!!」




黄瀬くんにへにゃりと笑って見せる優里愛




「―――っ///わ、わかったっス!優里愛っち!!」

「優里愛っち??」

「俺、尊敬する人には何とかっちってつけて呼ぶんスよ」



優里愛っちか…面白いかも




「私尊敬されるようなことしてないよ」

「さっき言ってくれた言葉っスよ」

「?」




私何かいいこと言ったのかな…




「優里愛っち、俺のことは涼太って呼んでね」



――――――――――――――――



「えっと涼太…くん、よろしくね!」

「呼び捨てでいいっスよ」

「まだ、会ったばっかりだし呼び捨てはちょっと…」

「しょうがないっスね、でも涼太って呼んでもらえるように頑張るっス!!」

「?あ、うん、頑張って…?」

「なんで、疑問系なんスか!」

「優里愛さん、黄瀬くんには気を付けてください、あと黄瀬くん頑張らなくていいです」

「星那、馬鹿なやつは放っておくのだよ」

「黄瀬、星那に変な真似をしたら……わかってるな」

「理不尽!!」



―――犬の放し飼いもほどほどに―――






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