星の道標

□無自覚と鈍さは紙一重
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「そう言えば敦はいなかったな、今日から1軍のマネージャーになる星那優里愛だ」



毎度の紹介ありがとう、赤司くん




「星那、彼は紫原敦だ」




…紫原敦、彼は一体どんな人なのだろう




「赤ちん、お菓子無くなったからお菓子ちょうだい」




と言ってお菓子を赤司くんにせがんだ

アレ…?なんか、なんか違う

大男だと思っていたら、中身はお菓子好きの子供だなんてギャップがすごいかも




「今日はもう無いぞ、敦」

「えー」




しゅんと落ち込んでいる彼がなんだか可哀そうだったので




「あの…紫原くん、お菓子いる?」



とカバンからランボやイーピンにいつもあげて
いるお菓子を差し出した




「優里ちん、ありがとー」




優里ちん…?涼太くんが優里愛っちって呼ぶみたいな感じなのかな

そんなのんきなことを考えていたら、急に背中が重くなった




「っ……重い」





背後から紫原くんが乗っかってきたのだ



「優里愛っち!!紫っち離れるっスよ、優里愛っちがつぶれちゃうっス!」

「優里愛!!」




すかさず、涼太くんとさつきが止めに入る




「敦、星那がつぶれる」



その赤司くんの一言で私は異常な重みから解放された

お、重かった…





「星那、大丈夫か」

「緑間くん、大丈夫だよ」

「優里ちん、ごめん」




紫原くんはその場にしゃがんで捨てられた子犬のような顔をして私を見ていた

…その顔はずるいっ///




「大丈夫だよ、紫原くん」




赤司くんに撫でられたときみたく紫原くんの頭を撫でた

すると今度は加減して背後からムギュッと抱きつくようなかたちになった





「紫っち、ずるいっスよ!そこ代わってほしいっス!!」

「無理だしー」



私の頭上で涼太くんと紫原くんが言い争いをしていた

だが、もう下校時間になっているため帰り支度をしなければいけない




「涼太くん、紫原くん、もう下校時間だから準備しないと!!」




2人は口ゲンカを止め、しぶしぶ支度を始めた

準備をすませ、学校の門まで向かう

彼らはとある人物を待っているようだが私は用事があると言って先に帰ることにした

誰を待っていたんだろう…

疑問を持ちつつも、並盛へと帰った









家へと帰宅した優里愛

玄関を開けると



「優里愛おかえり、学校どうだった!?」



ツナが迎えてくれた



「ツナただいまー、なんかすごかったよ…でも、楽しかった!友達もできたし!!」

「そっか、よかった」


ほっとした様子で私を見た

すると、どこからともなく家庭教師様がやって来た


「優里愛、遅かったな」

「ただいま、リボーン」

「キセキの世代、幻の6人目とは会えたか?」

「うん、ばっちり…とはいかないけど青峰大輝以外とは会えたよ」


「そうか」と言ってツナの頭に乗る

「おいっ、リボーン!人の頭に乗るな」というツナの言葉は左から右へと受け流された


「みんな個性が強かったかな、一回見ただけじゃ任務に言った意味がないから私、バスケ部のマネージャーになって彼らを見ることにしたよ」

「その方が動きやすいでしょ」

「マネージャーか…おもしれーじゃねぇか」


彼、独特の笑みを浮かべる


「それに、写真も撮って来たよ」


制服にカメラを仕込んでいたのだ

我ながら勇気のある行動だった気がする


「すごい大変だったけどね」

「そっか、優里愛お疲れ様」

「優里愛、報告は後だ」


リボーンはツナの頭から降りてリビングへと向
かった



―――――――――――――――


「そういえば、優里愛、ツナがお前のことずっと心配してたゾ」

「――っ///お、おいっリボーン!!何言ってん
だよ///」

「本当のことなんだ、いいじゃねぇか」

「ツナ…心配してくれてたんだ、ありがとう!」

「えっ!う、うん///」

「顔赤いよ、ツナ?玄関結構涼しいけど…暑い?」

(相変わらずの鈍さだな…)

「ツっくん、優里愛ちゃん、リボーンくん、ご飯出来たわよー」

「「はーい!」」






―――無自覚と鈍さは紙一重―――








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