浅の間
□黒バス
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「…はっ?」
「だーかーら、バレンタイン。
あんた誰にあげんの?って、あの幼なじみ君に、決まってかー。あーあ、いーなー、あんっなにカッコいい幼なじみがいて。」
昼休み、いつもの如く友人と向かい合わせでお弁当をもそもそと、食べていると突然友人がそんな事を切り出した。
「イヤイヤイヤ、勘違いしないでよ。あいつとは別にそんな関係じゃないし、」
むしろ、どっちかていうと契約関係に近い
「まったまたぁ〜、毎朝一緒に登校してるのが幼なじみなぬのかー?」
低血圧で起きられないだけです。
はい、マジで。
ニヤニヤと、面白がる友人にこれ以上の弁解は無意味だと思う。
うん、無視しよう。
「「「キャアアァァァァァァ!!!」」」
「黄瀬くーん!」
「頑張ってぇ!」
ズキリ…
あ、まただ
「ホント黄瀬君カッコイー」
「あたしら、超ラッキーだよね」
外から、聞こえてくるのは女生徒の声。
そして、話題に上がっているのは、運動場で現在進行形でサッカーをしている彼。
──黄瀬涼太、人並み外れた容姿にその類い希なる才能(センス)で人の目を離さない。
この帝光中始まって以来の天才だろう。